固定資産税に納期はある?滞納の対処法と減免する方法
固定資産税の支払いは納税通知書が自宅に届いてから支払っていく形です。
この納税通知書は納期限の10日前には必ず手元に届いてなければならないというルールがあるため、最初の納期限の月の初めに発送されて順次届くことになります。
固定資産税の納期限は4回あり、一括で支払うことも可能であるものの、多くの人は4回に分けて支払っていく形になります。
感覚としては都道府県民税の支払いのない月に固定資産税を支払うようなイメージで問題ありません。
固定資産税の納期限は自治体によって異なっています。
元々固定資産税は市町村税となっており、市町村が徴収する税金です。
このため、国では納期に関してある程度のルールは決めておくものの、どのタイミングで支払ってもらうのか、細かいことはその地域にお任せするというのが固定資産税を見ていく上でのポイントです。
前に住んでいた地域では4月末に最初の期限を迎えていたのに、新しく住むことになった地域では6月末に期限を迎えてびっくりしたというケースはとても多く、地域によってタイムラグがかなりあるのも面白い部分です。
このような納期限は地域間で違いはあるものの、同じ地域に住んでいれば常に一定であるというイメージがありますが、実際は数年おきに期限が変わることがあります。
それは3年に1度の評価替えがあるケースです。
評価替えは固定資産税評価額が大きく変わる大事なイベントです。
間違いも起こりやすく、自治体としては事務手続きも多いことから普段と同じ時期に期限を設定することができません。
そのため、普段より1か月後に最初の期限を迎えることが多々あります。
なので、毎年そのスケジュールを確認することが求められます。
各自治体で期限にバラつきがあるのは理解できたものの、その一方で1回目の支払いと2回目の支払いの間隔が詰まっていたり、2回目と3回目の支払い時期が開いたりするケースが目立ちます。
また鹿児島市のように7か月で1年分の固定資産税を支払うように条例で定めている地域もあります。
そのため、引っ越しなどで別の地域に行って固定資産税を支払っていく場合には前に住んでいた地域でのタイミングの違いに慣れないと、税金の支払いで一時的に家計が苦しい状態になることも出てきます。
ほぼすべての地域では市民税と固定資産税の支払いがバッティングしないようになっています。
先ほどの鹿児島市は市民税も7か月で1年分の市民税を支払うような形になっていますが、市民税と固定資産税の支払いが交互に来るようになっており、8か月で2つの税金を支払い終えるようなスケジュールになっている一方、三鷹市のように固定資産税の4回目の支払いを2月末に設定する関係でバラバラになることもあります。
条例で自由に決められる要素がこうした部分にも出ています。
評価替えの年にずらすところとそのままの時期があるものの、急にイレギュラーな時期に動かすことはまずありません。
そのため、固定資産税や市民税の支払いは計画が立てやすいことから、それに向けた準備を前もってしておくことが大事です。
自動車税も毎年5月末に支払い期限を迎えるように、それに向けて多くの人が支払いの準備をします。
毎年そうした税金を支払う人にとってみれば準備はしやすいです。
評価替えがあるといっても、減税措置に絡まない限りはそこまで変わらないので準備がしやすいという面もあります。
納税通知書が来ると、いよいよ支払わないといけないのかと憂鬱な気持ちになりますが、だからといって納期限だけを確認して放置することは避けないといけません。
自治体によっては実際に支払うべき税金より多くなっていることがあり、知らないうちに多く支払っていたということが時折あります。
特に評価替えや減税措置の適用に絡む出来事があった場合にはその適用がなされていないことが見られます。
例えばこれまで商店をやっていて、店をたたんだことで住宅用地に用途変更した経緯が反映されていない時に間違いが起こることもあります。
納税通知書を見て明らかにおかしいと感じた場合は縦覧制度を活用し、縦覧台帳を見て周囲の相場を確認することが必要です。
評価替えの年に限り、評価額に対する審査の申し出をすることができます。
これは納税通知書が届いてから60日以内にしないといけません。
間違いがあった場合は速やかに自治体の窓口に行き、チェックしてもらうことも大事です。
できるだけ納期を迎える少し前までにアクションを起こすことで、怪しまれずに主張することができます。
納期は守りたいが、おかしいかもしれないのでチェックしてほしいというスタンスが求められます。
毎年4月になると固定資産税の支払いの納付書が送られてきます。
毎年1月1日時点で保有する資産に対して課税されますので、予め納税方法について把握しておくことは大切です。
支払い方法は市区町村によって多少異なることがありますが、基本的には年4回の分割方式がとられています。
それぞれに納期が定められていますが、その期日は市区町村ごとによって決められます。
必ず納付書に記載されている期日を確認しておきましょう。
期日と同様に支払い方法についても、1年分をまとめて一括にできる場合もあります。
ただし、以前はまとめて支払うことで割引が適用されていることがありましたが、現在では廃止されている市区町村が多いため大きなメリットにはなりません。
納期を忘れてしまいがちな人には有効ですが、いずれ支払うものでも手元にお金が残っていることで資産運用へ活用することが可能です。
細かい話ですが、手元のお金を銀行に預けておけば、わずかながら利息が得られます。
特別な理由がなければ、分割払いを利用した方が柔軟性は高いと言えるでしょう。
固定資産税の支払い方は各市区町村によって若干の違いはあるものの、基本的には4つの方法で可能です。
シンプルな現金払いのほか、口座振替や各種便利な方法もありますので、ご自身にとって良いものを選択していきましょう。
最もシンプルで一般的な支払い方法は、指定の窓口で現金で支払う方法です。
お住まいの市区町村の公式サイトや、納付通知書に可能な窓口が記載されています。
各市区町村の窓口や郵便局、各種金融機関で可能です。
中でも便利なものと言えば、コンビニのレジで支払う方法です。
ただし、バーコードが印刷されている納付書に限ります。
レジに納付書を持っていくと、通常の買い物と同じようにスムーズに行えます。
領収書と受領書を忘れずに受け取るように注意しましょう。
固定資産税の納付にクレジットカードが使用できることもあります。
ただし、注意点としてコンビニでの支払い時にクレジットカードを提示して行うことは基本的にできません。
また、市区町村が定める決済手数料が別途必要になることもあります。
事前に手続きが必要な場合がほとんどですので、各市区町村の公式サイトで確認しておきましょう。
窓口に出向くのが面倒だったり、忘れてしまったりするのが心配な方は、口座振替を指定しておけば確実に納付を行えます。
一度登録すれば面倒な手続きをする必要がなく、自動で引き落としされるようになります。
期日を忘れてしまうと延滞金が発生するおそれがありますので、自動で行われる口座振替は賢い選択肢だと言えるでしょう。
ただし、預金口座が残高不足にならないように注意が必要です。
もし、納付額に満たなかった場合には、再振替ではなく現金による窓口での支払いとなります。
現金の窓口に出向く手間を削減できる方法として「ペイジー」を利用して支払いができるケースも増えてきています。
ペイジー対応のATMや、インターネットバンキングからの納付が可能になりますので、窓口に出向く必要がありません。
納付書に記載されている収納機関番号、納付番号、確認番号、納付区分と言った必要事項を入力して、手続きを行います。
口座振替と同様に領収書の発行はされませんので、利用明細書や各通帳から確認する必要があります。
一度決まってしまった固定資産税の納税額を安くすることは難しいですが、支払い方法を工夫することでお得になることがあります。
それほど手間をかけることなくできる方法もありますので、知っておいて損はありません。
支払い方法にはクレジットカードを使う方法があることには触れましたが、決済手数料が必要になることから一見損をしてしまうように感じるのではないでしょうか。
しかし、クレジットカードにはカードの種類によってポイントやマイルが還元される特典があります。
決済手数料をポイントやマイルが上回る場合には、現金や口座振替に比べて、その分だけお得になるのです。
上手く活用するためには、定められた決済手数料とカードの還元率を計算する必要がありますが、一度検討してみても良いでしょう。
クレジットカードでの支払いはポイントが還元されると言っても決済手数料がネックです。
そこで、一度電子マネーのチャージにクレジットカードを利用し、チャージした電子マネーを使ってコンビニで支払いを行います。
すると、チャージには手数料がかかることなくポイントが還元されますし、電子マネーでの支払いにも手数料をとられることがありません。
つまり、丸々ポイント分をお得に獲得することができるのです。
ただし、電子マネーへのチャージの手続きや、受け付けているコンビニが限られる点には注意が必要です。
固定資産税は年に4回の分割払いで納税することになっていますが、もしも固定資産税の納期限が過ぎたとしても支払いがなされていない場合には、役所が20日以内に督促状を送付することになります。
この手続きは法律により定められているものであり、法律に則り事務的に処理されるものです。
督促状は市町村により違いがいられますが、一般的にははがきで届きます。
はがきには延滞金がかかる旨や督促状を発した日から10日以内に完納しなければ滞納処分になること、処分について不服がある場合には60日以内に異議申し立てができることなどが記されています。
固定資産税を滞納すると延滞金がかかることになり、延滞金については甘く見ていると痛い目にあうでしょう。
延滞金については最初の1か月は年利2.9パーセントですが、それを超えると9.2パーセントの延滞金がかかることになります。
この金利は決して安いとは言えず、そもそも固定資産税は非常に高額であり、年間で元本の1割近くが増えていくため、あまりにも長期間滞納を続けてしまうと、延滞金を納付するだけでもかなりの金額になります。
固定資産税の滞納を積み上げてしまった場合には、まずは元本から優先して支払い行う必要があります。
督促状を発した日から10日以内にもしも完納できなかった場合には、役所は滞納処分ができるようになり財産の差し押さえを執行できるようになります。
カードローンなどの民間の賃金業者の差し押さえとは異なり、固定資産税の滞納処分は裁判所に申し立てを行うことなく、強制処分が下り差し押さえが実行されることになります。
これは法律で定められていることですが、10日を過ぎたらすぐに差し押さえをしなければならないという意味ではありません。
督促状を発生から10日以上が経過しても支払いが行われない場合の措置は、それぞれの自治体によって異なるでしょう。
一般的にはその後もしばらく催告書が送られてきたり、支払いをするように電話がかかってくるなどのケースが多く見られます。
地域によっては自宅に訪問し催告がなされることもあります。
その際に大切なことは誠実な対応をするという点です。
無視や放置を続けると役所は納税交渉ができなくなってしまうため、何らかの反応を得るためにもまずは債権の差し押さえをするケースが見られます。
誠実な対応をすることにより、滞納処分の猶予がもらえる可能性がありますが、無視や放置を続けることにより、早々に財産を差し押さえられてしまう可能性が高まります。
固定資産税の支払いを長期にわたり滞納した場合には、まず最初に住宅が差し押さえられる可能性が一番高いでしょう。
しかし住宅ローンの残額が多く残っている場合には、住宅ローンの債権者である銀行の抵当権が設定されることになります。
抵当権を設定した日が税金の納付期限よりも早い場合には、抵当権が税金よりも優先されることになります。
役所が住宅をまず最初に差し押さえる理由としては、勝手に住宅を売却されないようにするという理由があります。
固定資産税が支払えないということは、お金に余裕がないということを表し、そのうちに住宅ローンの支払いも難しくなるケースがあるでしょう。
すると資金繰りに行き詰まった所有者は、住宅を任意売却しようと考える可能性が出てきます。
その前に差し押さえ登記をすることにより、売却代金の中から差し押さえ解除料をもらうことができるようになります。
まずは逃げられないためにも差し押さえ登記をするということになります。
住宅ローンがまだ残っている場合にはすぐに競売になるわけではないため、税金を回収するためにはかなりの時間を要します。
そのため、住宅よりも取り立てることが簡単な銀行の預金口座や勤務先の給料の差し押さえが狙われることもあります。
固定資産税の滞納処分の場合には、法律によって身辺調査や財産調査をすることが認められています。
そのため勤務先や預金口座などを特定することはたやすいことなのです。
しかし強制的な差し押さえに踏み切る多くの場合は、滞納者から何の連絡もないケースです。
反応を得るための差し押さえと考えてよいでしょう。
滞納した固定資産税の最終決着としては、住宅を売却して売買代金で完納すること、滞納処分によって預金や給与を差し押さえられて完納になること、換価の猶予を認めてもらい少しずつ分割納付して完納する方法、滞納処分の停止を受けたうえで3年後に自然消滅するケースのいずれかになるでしょう。
住宅を保有し続けたいのであれば、完納以外の選択肢はありません。
逃げ続けることは不可能であるため、必ず役所と誠実に相談することが大切です。
固定資産税は基本的には4つに区分された分割払いとなっていますが、期日に納税が難しい場合も考えられます。
うっかり忘れてしまっていた場合だけでなく、現状ではどうしても納税できないケースもあるでしょう。
まずはシンプルな方法からみていきます。
簡単な方法で言えば、滞納していた分の固定資産税額を分割で支払う通常分納です。
期日を過ぎたからと言って、すぐに資産が差し押さえられることはありません。
各自治体に相談することで、後日送付される分割払いの納付書をもらい、納税することができます。
通常分納のメリットは手続きが簡単で常習的に滞納している人でもない限り、対応してくれる可能性が高いことです。
しかし、延滞税は免除の対象にはなりませんので徴収の猶予だけがもらえることになります。
通常分納では延滞税を支払う必要がありますが、納税徴収の猶予を行うことで納期だけでなく、延滞税が免除の対象となります。
しかし、手続きに手間がかかることや、一定の条件を満たす必要があるため誰でも受けられるという制度ではありません。
ただ、固定資産税の納税が困難な時には選択肢のひとつとして知っておきたい制度です。
徴収猶予を受けるためには災害や盗難、本人や家族の病気、事業の廃止や休止、事業の著しい損失が条件となり、また類似するものがあった場合も利用できる可能性があります。
つまり、納税に困窮する何らかの事象が起こった場合に活用できる制度です。
そのため、本人の都合によって適用されることは難しいと言えるでしょう。
猶予が得られるだけでなく、延滞税を免除してもらえることが大きなメリットになります。
類似するような事象の場合は延滞税の50%、それ以外の指定されているものであれば100%が免除の対象です。
分割で支払うことができるだけでなく、延滞税の負担の心配がなくなりますので、手続きが面倒でも条件に該当する場合には検討してみましょう。
徴収猶予の流れは、まず徴収猶予申請書と必要書類を提出して申請を行います。
次に、その時点で支払いが可能な額を振り込み、行政による書類審査が開始されます。
審査に通過すれば分納となりますが、審査に通らなければ60日以内を期日に異議申し立てを行うことも可能です。
注意点としては、審査通過後は納期厳守となります。
さらに滞納を重ねてしまえば、猶予を取り消されてしまう可能性もあります。
納税が厳しい状態には、資産をすでに差し押さえられていることがあります。
差し押さえられた家が売却されると住む家がなくなる場合などが挙げられます。
固定資産税以外に税金を滞納していなければ徴収の猶予を受けられ、延滞税が50%免除されるメリットもありますので、助け舟とも言える制度です。
ただし、換価の猶予は差し押さえというマイナスの印象から認められる可能性は低くなっています。
納税への誠実な意志を示す必要があるでしょう。
徴収の猶予と同様に固定資産税自体を減免する制度があります。
猶予とは違って延滞税ではなく、直接固定資産税の減額と免除に繋がりますので、もしもの時のために制度の存在を知っておくと良いでしょう。
固定資産税が減額や減免となる条件は、生活扶助を受けている、自然災害による規定以上の被害、公益のための固定資産などになります。
上記の他、特別な事情による例外もありますが、基本的に条件は厳しいものとなっている制度です。
単に収入が低いという理由では適用は難しくなっています。
また、実際に申請を検討される場合には、減額や免除となる額や比率は各市区町村によって定められています。
お住まいの地域の公式サイトや窓口で確認を行っておきましょう。
徴収猶予や減免の制度を利用しても固定資産税の支払いが難しい場合や、審査に通らず支払いが滞ってしまう場合も考えられます。
そういったケースでの解決案や注意点をみていきましょう。
固定資産税は滞納し続けると差し押さえのリスクも出てきます。
そういった状況では物件の任意売却を検討することが解決策のひとつです。
また、滞納している状態でも売却は可能ですが、任意売却は物件が差し押さえされてしまってからできません。
解除の手続きが必要になりますので、できるだけ早い段階で判断する必要があります。
最終手段として自己破産を考える人もいるかもしれませんが、固定資産税の納税の義務が免除されることはありません。
債務ではなく、税金としての位置付けとなるため法的手続きを行っても解決策にはならないのです。
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