固定資産税はいつから発生していつまでに払うの?
固定資産税とは、土地や建物に対して賦課される税金のことです。
ですが、土地や建物は基本的にそこに常に存在しているわけですから、いつの時点で固定資産税が発生するのかを決めておかないと困ったことになります。
例えば消費税を比べてみればその違いがよく分かるでしょう。
消費税の場合なら、消費者の立場としては、店舗でその商品を購入した時点で支払うことになります。
食品や飲料などのように購入後すぐに消費してなくなってしまうものもあれば、テレビやパソコンなどのように長期間保有され続けるものもあるでしょうが、いずれにしても購入時に1回だけ支払えば良いことは明らかで、誤解の余地はありません。
しかし、固定資産税の場合は、ある時点で1回だけ払えば良いとされているわけではありません。
それでは税制上不公平だからです。
1年だけ所有している場合でも、100年以上も所有し続けていても同じ税金というのは不合理と考えられています。
そこで、定期的に賦課する必要があるわけです。
これは、1年と100年とでは差があるということの他にも、土地や建物の価値はそのときどきによって変わるため、税金の額もそれに応じて変える必要があると考えられていることによります。
ですが、例えば1日ごとに税金が発生するような仕組みにしてしまうと、税金を決定し徴収する側としても、また税金を納める側としても大変なことはすぐに分かります。
ということで、そこまできめ細やかに税金が発生するような仕組みにはなっておらず、発生するのは1年に1回と定められています。
これは、言い換えると、1年前に税金が発生してから、次に税金が発生するまでの限られた期間だけその土地や建物を保有している場合には税金はかからないということを意味しています。
何か不公平な気もするかもしれませんが、土地や建物の場合、保有期間1年未満というようなことは余り起こらないでしょうから、事務的なことも考えてこのように決められています。
では、具体的に固定資産税が発生するのはいつかということですが、それは1月1日と定められています。
毎年、1月1日の時点で、その土地や建物を保有している人に対してその年ぶんの税金が発生するというのが簡潔な説明となります。
つまり、極端な話しをしますと、1月2日にその土地や建物を購入し、その年の12月31日に手放したような場合は税金はかかりません。
一方、たとえ1月2日に手放したとしても、1月1日時点で保有していたのであれば、その年ぶんの税金が発生してしまいます。
このように見てくると、発生時期には何か不公平感があるように思うかもしれません。
年の途中で売買をした場合でも、とにかく1月1日時点の保有者に対して税金がかけられるというのは何かおかしいのではないかという意見があるかもしれません。
確かにそういう面があることは否定できませんが、しかし、売買の当事者同士がこの点を考慮して取引をすることは何ら制限されているわけではありませんので、当事者同士で合意のうえ、不公平感がないようにすることは可能です。
例えば、1月2日に売買契約を結ぶのであれば、実質上、その年の保有者は売却者ではなく購入者であると言えますから、両者合意のうえ、税額を代金に上乗せして支払うということは全く問題はありません。
発生時期に関してはとくに例外などは設けられていません。
あらゆるケースでとにかく1月1日が基準とされており、この場合は1月1日とすることが不適切と思われるからとか、別の日付を基準とするほうがより適当だからというような理由で別の時期を設けるようなことは行われていません。
また、税額を初めとして税金に関することを決めるのは当局側ですから、納税者側で勝手にそのような判断をすることは一切認められていませんし、そもそも行おうとしても行えるようなことでもありません。
納税者側としては、当局の決めた時期に従って粛々と了解するしかないということになります。
このように、発生時期は1月1日となっているのですが、誤解してはいけないのは、これはあくまで発生時期であって、納税時期ではないことです。
納税時期についてはここで説明することではありませんので割愛しますが、発生時期と納税時期とを混同することのないようにしましょう。
発生時期とは、言い換えれば保有する固定資産に対して、一定の基準に従って税額がいくらになるかが決定される時期ということができます。
この決定と同時に納税が求められているわけではありませんし、もっと言えば、決定した税額がいったいいくらなのかが1月1日に納税者に対して通知されてくるわけでもありませんから、発生時期と納税時期は異なります。
固定資産税はいつまでに、どんな方法で支払えばいいのでしょうか。
固定資産税の納税義務者に対しては、市町村(東京23区は東京都)から納税通知書が送られてきます。
納税通知書には納付期限や税額が記載されているので、この通知書にしたがって固定資産税を納めてください。
なお、固定資産税の税額は、固定資産の課税標準額をもとに、市町村が自動的に計算します。
納税義務者が自分で計算する必要はありません。
納税通知書は、毎年1月1日に土地や家といった固定資産を所有している人に対して送られてきます。
なぜなら固定資産税の納税義務者は、毎年1月1日における固定資産の所有者だからです。
年の中途で固定資産を売却したとしても、1月1日に所有していれば、1年分の固定資産税を支払わなければなりません。
固定資産を共同所有している場合でも、納税通知書が届くのは1人だけです。
ただし、共同所有者の納税義務がなくなるわけではありません。
市町村は固定資産税の納税通知書を、納付期限の10日前までに送らなければなりません。
詳しくは後述しますが、固定資産税は4回に分けて納めるのが一般的です。
納税通知書は、第1期の納付期限の10日前までに届くように発送されます。
例えば、6月末日が納付期限であれば、6月初旬に納税通知書が届きます。
固定資産税は、納税通知書に記載された納付期限までに支払わなくてはなりません。
通知書に記載された日付までに納税できないと、延滞金が発生することがあるので注意してください。
納税する期限は市町村ごとに異なるので、納税通知書を見てしっかり確かめましょう。
通知書が届く前に納税のスケジュールを知りたい方は、市町村の窓口あるいはホームページで確かめてください。
固定資産税は、年4回の分割払いが基本です。
それぞれの期間ごとに、納税の期限が設定されています。
つまり、通常、年4回税金の支払い手続きをしなくてはなりません。
払い忘れのないように気を付けましょう。
納付期限は、どの市町村でも同じというわけではありません。
納付期限は市町村ごとに条例で定めてよいことになっているので、納税通知書に記載された日付をきちんと確認しましょう。
固定資産税の納付スケジュールは、市町村ごとに異なります。
例えば、平成29年度の東京都における具体的なスケジュールは、次の通りです。
第1期の納付期間は平成29年6月1日から6月30日まで、第2期は平成29年9月1日から10月2日までとなっていました。
第3期の納付期間は平成29年12月1日から12月27日まで、第4期は平成30年2月1日から2月28日まででした。
それぞれの期間の最終日が、納付期限となります。
第2期であれば、10月2日までに税金を納めなくてはなりません。
納付期間は基本的に4回に分かれているため、税金を現金で支払う場合、支払い手続きも4回行わなくてはなりません。
税金を支払い忘れると、延滞金のペナルティが発生する恐れがあります。
払い忘れが心配な方は、口座振替を利用すると便利です。
支払い方法として口座振替を選択すれば、指定した口座から毎回自動的に引き落とされるので、税金の納め忘れを防ぐことができます。
口座振替で支払いたい時は、納税通知書と一緒に送られてくる「口座振替依頼書」または金融機関にある「市税口座振替依頼書」を提出しましょう。
市町村によっては、1年分の固定資産税をまとめて支払うことが可能です。
一括払いでも、税金の払い忘れを心配する必要はありません。
固定資産税の納税通知書には、「全期」「第1期」「第2期」「第3期」「第4期」と、合計5枚の納付書が入っています。
一括払いをしたい時は、「全期」の納付書を使用してください。
なお税額は、一括払いでも分割払いでも、ほとんどの市町村で変わりません。
一括払いを選ぶ場合は、必ず第1期の納付期限までに税金を納めてください。
先述の東京都の場合であれば、第1期の納付期限である6月30日までに納めます。
なぜなら、第2期以降に納付すると、第1期分が未納扱いとなって延滞金が発生してしまうからです。
固定資産税を支払う方法には、先ほど触れた現金・口座振替以外に、ペイジーやクレジットカードによる支払い方法があります。
ペイジーを利用すると、税金や公共料金の支払いをパソコン・携帯電話・ATMなどを利用して行えるため、金融機関の窓口に出かける必要はありません。
ただしペイジーもクレジットカードも、全ての市町村で導入されているわけではないので、事前に納税通知書や各市町村のホームページなどで支払い方法を確かめてください。
支払い方法をよく確かめたうえで、納付期限までに税金を納めましょう。
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固定資産税は課税対象は経済的価値の高い土地や建物に対して課税する趣旨のため、総額は高額になるので年4回にわけて納付することが認められています。
ただし各期について納付期限が設定されているので、その期限を1日でも徒過すれば延滞と言うことになります。
滞納すると遅滞金(延滞税)が加算されることになります。
これは納期限までに支払わない納税者に制裁を課すことと、期限を過ぎると税金が加算されることになるので、滞納を抑止する趣旨で定められているわけです。
滞納してしまえば、市役所の税務課などにおもむいて滞納解消の為の方策を探るのが賢明です。
固定資産税を納期限までに支払わず、自分から市役所に相談にも足を運ばない場合、市役所は20日以内に督促状を送付することになります。
これは地方税法第371条に定められており、「督促状を発しなければならない」と義務付けられてうることからも分かるように裁量の余地がなく機械的に発送されることになるのです。
仮に督促処分に不服がある場合には、60日以内に異議申し立てを行なうことが出来ます。
とは言っても異議胃申し立てで結論が覆ることは、よほどの特殊な事情がない限りありえないので、不服申し立てをすることの意義は少ないと言えます。
もちろん、納付期限を過ぎている以上遅滞金が発生しています。
納期限を過ぎた以上、その翌日から日々、遅滞金が加算されることになります。
つまり納期限の翌日から納付するまで遅滞金が発生しており、固定資産税の本来の額に合算して支払う必要が出てくるわけです。
それでは具体的にどの程度の利率になるのでしょうか。
この点は軽減措置などの関係で、若干利率が変化します。
すなわち平成29年1月1日から同年12月31日までは、納期限の翌日から1ヶ月を経過する日までは2.7%、納期限の翌日から1ヶ月を経過した日を過ぎた日意向は年9.0%です。
さらに平成30年1月1日から同年12月31日までは、1月までは2.6%、1ヶ月を過ぎた分には8.9%で計算された年利が加算されることになるのです。
具体例で言えば納期限が平成30年6月30日の税金を滞納した場合、7月30日までは年利2.6%の延滞税が加算され、それ以降の期日は年利8.9%もの年利の延滞税が加算されることになります。
固定資産税自体が高額なので年8.9%つまり年1割弱もの高額の年利をつけて支払わなければならないので、放置すればするほど高額につみあがることになる訳です。
ここで延滞を解消するために金銭で支払うと、まず本税、つまり固定資産税に対して充当されることになります。
この点は、弁済額を全て工面できない場合の充当の原則の例外といえます。
つまり民法上元本は最後に充当する原則に対して、税金ではまず本税から充当されることになるのです。
このように固定資産税では納期限を過ぎると高額の遅滞金が発生するわけですが、事態は税金がつみあがるだけに止まりません。
市町村では主要な税金として認識されているので、強制的な手続きに出てでも回収が図られることになり、最終的には公売処分で換価されることになるのです。
しかしいきなり公売などに付されることはなく、段階を踏んで手続きが進められます。
納付期限を越えて固定資産税の支払いを延滞すると督促状が届きますが、それでもなお納税者が納付を行なわないまま放置すると、市町村は財産調査に入るわけです。
財産調査では個人の預金や勤め先の給料など経済状態全体を把握するための調査が行なわれます。
私人の場合、勝訴判決などの債務名義を取得したうえで、相手方の銀行口座を探し当てて差し押さえなどを行なうのとは様相を異にします。
すなわち市役所や税務署では、徴税目的のためには個人の財産を調査する権限が認められているのです。
納税者本人の同意を得ることもなく、経済状況を把握することが可能になっているので、そのまま逃げ切るのは困難と言えるのです。
財産調査の結果、差し押さえにより改修を見込める預金口座などがあれば、市町村などに差し押さえられることになります。
もちろん不動産も差し押さえの対象になりますが、ローンなどの支払いは残っていない場合も多く、公売処分をするにも手間も時間もかかります。
そこで現金を確実に回収できる預金や給与などが優先的に差し押さえの対象になるのです。
固定資産税は延滞を継続すると、最終的には強制処分によって回収が図られることになります。
事態がそこまで悪化するのは是非とも回避したいところです。
土地や家屋などを所有している人は毎年固定資産税を支払う義務があります。
この税金はマンションやアパートなどを所有して賃貸住宅として貸し出しているという場合にも発生します。
しかし、この税金は住宅などを建て替えをしたりリフォームをした場合には減免措置も利用することもできるようになっていますので、その場合には減免措置の利用をしてみましょう。
ところが、時としてさまざまな理由によって税金の支払いが困難になってしまう場合もあります。
そのような場合に税金の滞納をしてしまうと、延滞金なども発生してしまい、通常通りに支払うより高い税金を支払わなければならなくなってしまいます。
いつまでも滞納するというより、どうしても税金の支払いが難しいという時には、市町村などの機関で必要な手続きを取ることで、固定資産税の徴収を猶予してもらったり減免措置を受けることが可能です。
そこで、徴収猶予や減免を受けられるケースについてご紹介します。
固定資産税を所有している場合、納税者が災害などに遭ってしまったり、生活保護を受けることになるといった特別な事情があったことにより市税である固定資産税の納付が困難になってしまったという場合には常用によって適切な手続きを取ることで徴収猶予や減免措置を受けることができるようになります。
徴収猶予とは、納税する人が申請をすることによって、税金の徴収を1年以内の期間で猶予してもらい、分割して納付をすることができるという制度です。
この制度を活用するとより長いスパンで税金を支払うことができ、分割納付が可能となるため毎月の支払いがしやすくなります。
固定資産税の徴収猶予制度は次のような条件に当てはまる場合に利用することができます。
まず、納税者が震災や風水害、火災といった災害を被ったり、盗難に遭ってしまったという場合です。
そして、納税者本人か生計を同じくしている親族が病気や怪我をしてしまったという場合も徴収猶予措置を受けることができます。
さらに、納税者が行っている事業が廃止となったり休止となってしまった場合や事業で大きな損失を被ってしまったという場合にも猶予措置を受けることができます。
これらの場合にはこれらの事実を証明する書類等が必要とされます。
ただし、徴収猶予ができる固定資産税については全額でなく、納付することができないと認定される金額を限度とすると決められています。
また、市税の猶予については担保を擁する税額が一定の金額を超えたり、猶予期間が一定の期間を超えたりする場合に担保が必要になる場合もあります。
猶予が認められた場合は猶予期間中の延滞金については全部または一部が免除されたり、財産を差押えられたり売却等の換価が猶予されることになります。
固定資産税の減免は、この税金の徴収猶予などによってもとても納税ができそうにないという納税困難な状況であると認められた時に受けられる措置です。
減免を希望する場合には納期限当日までの必要書類を添付による減免申請が必要とされており、申請書類を提出することで減免措置に申し込むことができるということになります。
固定資産税の減免措置の条件に付いては月のように決められています。
まず、天災やその他特別の事情があることで減免を必要と認められるということが必要になります。
そして、生活保護法で規定されている公的扶助を受けているという場合も減免措置の条件に当てはまります。
さらに、これらの他、客観的にみてもこの税金を負担する能力がないというように判断された場合も減免措置を受けることができるとされています。
そして、これらに当てはまる場合には根拠となる書類とともに減免申請を行う必要があります。
減免措置については、税金の延滞金がかからないようにするといった視点からの枠組みが定められているといえます。
固定資産税の徴収については市町村が責任を負っており、徴収猶予や減免措置を受けたいという場合にはまずは市町村で決められている資産税課などの部署に相談することになります。
また、猶予制度の相談は市町村の収納対策課への問い合わせなども必要となるなど、手続きについては時間がかかる場合もあるため、早めの手続きが推奨されます。
固定資産税の納税については課税公平性を保つという点からも、徴収猶予についても減免についても納税者の自立した行動が必要であるといわれています。
このように、土地や家屋などの所有者は毎年固定資産税を支払う義務をもっていますが、様々な理由で税金の支払いが困難な場合もあります。
そのような場合にはあらかじめ定められた一定の条件に当てはまっている場合には土地や住宅などにかかる税金の徴収猶予や減免措置を受けることができるようになっています。
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