マンション売却にかかる税金はいくら?確定申告のやり方も解説!
マンション売却の際には、税金がかかります。
しかし、税金がいくらなのか、ということは千差万別です。
今回は、そんなマンション売却にかかる税金の種類から、確定申告のやり方まで紹介します。
マンション売却で失敗したくない人はぜひ、最後まで読んでみてください。
マンション売却をする際に必要となる税金は4種類あります。
①印紙税
②登録免許税
③所得税
④住民税
それぞれどんな税金なのか詳しく紹介します。
印紙税とは、切手のようなデザインで、金額が記載されている収入印紙は、印紙税という税金で租税や行政に対する手数料の支払いを行う場合に使う証票です。
印紙税が課税されるのは、印紙税法という法律で定められた課税文書と呼ばれている決められた種類の文書です。
印紙税は、課税文書を作成した場合に、決められた額の収入印紙を文書に貼り付けて消印をして納付します。
不動産の名義変更を行う時の登録免許税や各種申請書などでは、印紙は消印しないこととされている場合があるので注意が必要です。
印紙税の他に、マンション売却時に必ずかかるのが登録免許税です。
登録免許税は、マンション売却の時の所有権の移転に伴う不動産登記の名義変更で必要になります。
登録免許税の額は、登記の種類によって税率が異なり、固定資産税評価額に応じて所定の割合を掛けた金額になります。
マンション売却の時に、利益の有無にかかわらず必要になる印紙税や登録免許税とは異なり、利益が出た時にだけ必要になるのが、所得税と住民税です。
所得税はマンションを売却した時の価格から、マンションを購入した時の価格を引いて出る、譲渡取得が高ければ高いほど、税金を多く払わなくてはいけません。
✔︎買ってから5年以内に売った方(短期譲渡所得)
譲渡所得×所得税30%
✔︎買ってから5年以上経過した方(長期譲渡取得)
譲渡所得×所得税15%
つまり、マンションを買った時の価格が、マンションを売る時の価格よりも高かった場合、譲渡所得は0なので、所得税はかかりません。
マンション売却で利益が出た時には、都道府県や市町村に住民税を払わなくてはいけません。
住民税も、譲渡所得が高ければ、高いほど、支払う税金が多くなります。
所得税は確定申告の際に交付される納付書によって、銀行などの金融機関で納付するのが一般的ですが、住民税は翌年以降にかけて分割して納付するかたちとなりますので、時期的なずれが生じてしまいます。
✔︎買ってから5年以内に売った方(短期譲渡所得)
譲渡所得×住民税9%
✔︎買ってから5年以上経過した方(長期譲渡取得)
譲渡所得×住民税5%
必ずかかる税金 | ・印紙税 ・登録免許税 |
---|---|
利益が出た時にかかる税金 | ・所得税 ・住民税 |
ここでは、マンション売却にかかる税金を簡単にシミュレーションしたものを紹介します。
シミュレーションの前に知っておかなければいけないのは、「減価償却」です。
減価償却とは、マンション(不動産)が、時間が経つごとにつれて資産価値が低くなることを言います。
ですので、譲渡所得を算出する時に、マンションを購入した時の価格から、減価償却分を引かなければいけません。
✔︎買ってから5年以内に売った方(短期譲渡所得)
譲渡所得×住民税9%
✔︎買ってから5年以上経過した方(長期譲渡取得)
譲渡所得×住民税5%
今回は、マンションを売却する際にどれくらに税金がかかるのか、下記の条件でシミュレーションをしてみます。
●新築マンションを購入
●居住期間:10年
●売却額:5,000万円
●購入額:4,000万円
●購入時の諸費用:120万円(購入額の3%と仮定)
●売却時の諸費用:150万円(売却額の3%と仮定)
STEP1マンションの減価償却費を計算
新築マンションを購入してから、10年経過して、建物の価値が低くなっているので、購入価格から減価償却費を引かなくてはいけません。
✔︎減価償却費用
4,000万円×0.9×0.015×10=540万円
✔︎最終的なマンション購入額
4,000万円-540万円=3,460万円
STEP2所得税・住民税を計算
譲渡所得(売却額-購入額)を出したら、次は所得税、住民税を計算します。
✔︎譲渡所得(長期)
(5,000万円-150)-(3,460万円+120万円)=1,270万円
✔︎所得税
1,270×15%=191万円
✔︎住民税
1,270×5%=64万円
STEP3印紙税・登録免許税を加えて合計を出す
最後に、印紙税・登録免許税を、所得税・住民税に加えれば、最終的な税金がどれくらいかかるのかわかります。
●収入印紙税:1万円
●抵当権抹消登記の登録免許税:1,000円
●所得税:191万円
●住民税:64万円
計:256万1千円
いかがだったでしょうか。
このように、マンション売却をする際には、購入額が売却額よりも高いかどうかで、かかる税金が大きく異なることがわかります。
マンション売却の際に、購入した価格よりも高く売却してしまうと、より多くの税金を払わなければいけませんが、節税する方法はいくつかあります。
今回は、3つの実践的な節税対策を紹介します。
✔︎マンションの保有期間を5年超にする
✔︎所得費を明確にする
✔︎3,000万円の特別控除の特例を利用する
1つ目の節税対策として、マンションの保有期間を5年以上にすることが挙げられます。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | |
---|---|---|---|
長期譲渡所得 | 5年越 | 15% | 5% |
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% |
表からもわかるように、マンション売却で利益を出すと、支払わなければいけない「所得税」と「住民税」は、保有期間が5年以上であるのと、5年以下であるのでは大きな差があります。
先ほどシミュレーションした、譲渡所得1,270万円を長期と短期でどれくらい違うのか、計算してみると、
長期譲渡所得 | 1,270万円×(所得税15%+住民税5%)=254万円 |
---|---|
短期譲渡所得 | 1,270万円×(所得税30%+住民税9%)=495万円 |
と差額は、241万円となります。
5年を超えるか超えないかで、支払う税金がなんと2倍も違うのです。
ですので、マンションを売却したい方で、あと1年で保有期間が5年になるという人は、1年間我慢してしっかりと節税対策をすることをおすすめします。
所得費とは、不動産を購入するときに必要になった諸費用のことです。
マンションの場合、購入する際にかかった、設備代やリフォーム代が含まれます。
取得費がわからない場合は、「概算所得費(売却代金×5%)」を利用しますが、多くの場合は、実際にかかった所得費よりも、安くなってしまいます。
所得費が安くなってしまうと、同時に譲渡所得も多くなってしまいますので、払う税金も増えてしまいます。
ですので、マンション売却の準備段階として、売ろうとしているマンションを購入した際にかかったお金を洗い出しておきましょう。
最後に紹介するのが、「3,000万円の特別控除特例」です。
この特例は、マイホームを売却する際に、譲渡所得(利益)が3,000万円以下であれば、それを無くしてくれるというものです。
マイホームであれば、所有期間や買い替えの有無に関わらず、適用を受けることができます。
「3,000万円の特別控除特例」の適用を受けることができれば、所得税・住民税がかかる人はほとんどいないでしょう。
✔︎マンションの保有期間を5年待てば、約2倍もの金額を節税できる
✔︎購入した際に、かかった費用をあらかじめ明確にしておく
✔︎マイホームの売却であれば、ほとんどの人が、譲渡所得を0にすることができる
マンションを売却して利益が出た場合は、売却した年度末に確定申告が必要になります。
ですので、逆に言えば利益が出なかった場合は、確定申告は必要ありません。
1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得を計算し、税務署に必要書類を提出して納付を行います。
マンション売却の情報は税務署にも届くので、必要書類の提出を忘れていると税務署から通知が来ることもあります。
申告を忘れたり故意に申告しなかった場合は、延滞税というペナルティが待っています。
延滞税には非常に高い金利が付くので注意が必要です。
初めて確定申告をする人の中には不安を感じる人もいますが、手続きの流れを把握して必要な書類を揃えておけばスムーズに申告できます。
所得税の申告はマンションを売却した翌年に手続きを行います。
申告の期間は毎年2月16日から3月15日までと決まっています。
申告先は現在の住所地を管轄している税務署です。
申告書に必要事項を記入して税務署の窓口で提出しますが、仕事などで忙しい場合は郵送もできます。
申告に必要な書類は税務署に行けば手に入ります。
国税庁のホームページには様々なコンテンツがありますが、その中に確定申告書作成コーナーがあります。
必要な項目に入力して申告書を作成すれば、後はその申告書をプリントアウトして税務署に提出することができます。
不動産を売却して確定申告をする場合は、申告書の他に必要な書類があります。
入手場所 | 必要書類 |
---|---|
税務署 | 確定申告書の用紙(申告書B ・申告書第三表/分離課税用) |
税務署 | 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表と計算明細書) |
売却物件がある 市区町村の役所 |
戸籍の附票(売却後2ヵ月経過後にされたもの) |
譲渡所得の内訳書は譲渡した不動産の情報を記載した書類です。
この書類は不動産を売却した後に税務署から売主に送付されます。
売買契約書や売買代金受領書、固定資産税清算書のコピーなど売却した不動産を取得した時の資料も必要になります。
確定申告をして納税の必要があれば、申告時期と同時期に税務署か金融機関で納税します。
振替納税の手続きをしている場合は、指定の口座から自動で引き落とされます。
土地や建物など不動産を売却した場合の確定申告は、初めて申告する人にとっては手間がかかります。
税金や申告書類のことで不明な点があれば税務署で相談にのってくれますが、税務署以外にも相談窓口はあります。
確定申告の時期には市区町村役場でも相談窓口が開かれます。
無料で相談できるので便利に活用できます。
税理士が加盟している税理士会でも無料の税務相談を行っています。
税の専門家である税理士が相談にのってくれるので、安心して相談することができます。
ここまで、マンション売却の税金や確定申告について詳しく解説しました。
マンション売却でかかる税金は、「譲渡所得」がどれだけ大きいか、ということが重要になってきます。
今回紹介した節税方法を活用して、マンション売却を成功させましょう。
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