不動産の売却には諸経費がかかる場合があり、売却額通りに入ってくるわけではありません。
正確に不動産を売却する時の費用を試算し、自分の手元に残る額を把握することで、売却することが正しい選択なのかを考えましょう!
不動産を売却する際は仲介料などの費用に加え利益に対して所得税が賦課されます。
譲渡所得は他の所得と分離して所得を計算し申告しなければなりません。
収入金額から取得費用や譲渡に掛かった費用および特別控除額を差し引いて課税額を求めます。
細かい知識が必要な点はありますが、丁寧に順を追えば売却した人自身が課税額を導き出すことはできます。
どのように計算すれば良いのか見本になるシミュレーションを使いつつ理解を深めましょう。
1,課税譲渡所得に含まれる項目
→収入金額と呼ばれ、所得税を計算する上での重要な基準です。
2,取得費
→減価償却費に相当する額
3,登録免許税・印紙税
→不動産の所有権を第三者に主張するための登記の際に必要な費用とその際に必要な印紙
4,仲介手数料
→不動産業者に委託した際に必要な費用
それぞれの費用、税金を見ていきましょう!
課税譲渡所得は、不動産を売却したときに買主から支払われる金額ではありません。
これは収入金額と呼ばれ、所得税を計算する上での重要な基準です。
売主にすれば不動産を売却する際に不動産業者などへの仲介費用や譲渡するための諸費用などを負担しており、実際に手にする金額は収入金額よりも少ないでしょう。
したがって、課税譲渡所得は、これら費用を収入金額から控除することが認められます。
また売却不動産を売主が購入した際の費用も控除することができます。
購入代金を初め設備費や改良費など当該不動産の建築に要した費用が該当します。
不動産を売却した金額から購入金額や建築代金等を控除することはできますが、実は全額ではありません。
というのも売却するまでの間に不動産は経年劣化していますから、その分を割り引く必要があります。
その基準が減価償却費相当額です。
減価償却相当額は事業に使用されていた場合とそうでない場合で計算方法が異なるので注意しましょう。
さらに建物の構造によっても耐用年数や償却率が異なります。
また平成19年度4月1日以降に取得したときは、償却可能限度額や残存価格が廃止され1円まで償却されます。
事業用でない建物の場合は、定められた耐用年数の1.5倍に旧償却率を当てはめて計算します。
事業に使われていない不動産を取得し売却するまでの減価償却費を定率法で計算してみましょう。
不動産価格は100万円で、鉄骨鉄筋コンクリート造とします。
住居用ならば耐用年数は47年ですから、その数を1.5倍すれば70年が求められます。
償却率0.015を乗じると1年目は1万5000円です。
元本100万円から1万5000円を差し引き、98万5000円に0.015を乗じた14775円が2年目の償却費です。
この要領で計算を繰り返しながら売却年数までの費用を算出します。
その合計額は不動産を取得したときよりも価値が落ちていると判断され、不動産売却益から控除できる取得費に含まれません。
税制改正により定率法を採用した場合に減価償却費が一定額を下回ったときに改定取得価格に基づいて計算しますが、その一定額が償却保証金と呼ばれます。
定められた保証率を乗じて割り出されます。
たとえば100万円の保証率が0.6ならば償却保証金は6万円です。
毎年償却していき6万円を下回った段階で、100万円から前年までの償却費合計を控除して改正取得価格を求めます。
この金額に改正償却率を乗じて次年度は減価償却費を計算し、その後は定額法によります。
目的は資産を最後まで償却することにあります。
不動産を売却した場合は、譲渡所得に関連する減価償却費等の計算は重要ですが、それ以外にも費用が掛かるため十分な利益が見込めるのか検討する必要があります。
税金でいえば
・所有権移転登記
・抵当権
・抹消登記のための登録免許税
・、契約書には印紙税
が考えられます。
その他税金以外にも不動産業者への仲介手数料や引っ越し費用、測量費などさまざまな項目が考えられます。
これらを事前確認することは不動産売却に不可欠です。
せっかく買主が見つかり売却できても利益が出ないのであれば、骨折り損になりかねません。
不動産の所有権を第三者に主張するためには登記をしなければなりません。
仮にお金を支払って所有者になっても二重売買など別途所有権を主張する人が登記をした場合は手放す必要に迫られます。
そのため登記は重要ですし、原則費用は売主と買主の折半ですが、所有権移転の場合は商慣習上買主が支払う場合が多いです。
一方抵当権が付着しているときの抹消登記は、売主が負担して渡すのが通常です。
加えて売買契約書など金額によって印紙を貼る書類があるので注意しましょう。
こうした費用は不動産売買に慣れない人の場合は見逃しがちです。
不動産業者に売却の仲介を依頼した場合のメリットは希望に近い価格で売却できる可能性があることです。
仲介手数料は法律で上限が定められており、売買価格で異なります。
不動産業者が買取ることもありますが、一般的に仲介よりも安くなる傾向があります。
しかし、納税やその他手続きをすべて行ってくれる点はメリットでしょう。
とはいえ譲渡所得の納税義務は不動産売却で利益を得た買主にありますから、収支のシミュレーションは不可欠です。
取得費用や譲渡費用など複雑な計算は専門家に依頼するほうが間違いが少ないでしょう。
売買価格が200万円以下のときは、取引額の5%以内ですから10万円が報酬の上限です。
200万円から400万円までは取引額の4%で、400万円以上は3%以内になります。
また売買価格には消費税は含まないもする際の譲渡費用の一部になります。
控除項目に該当するものの報酬額に含のの報酬額には別途含みます。
これらは不動産売却益で所得税を計算まれない広告宣伝費や測量費、ゴミの廃棄費用などがある点は注意しましょう。
売却益から控除はされますが、これらが高ければトータルで判断したときに利益が少なくなります。
不動産売却を考えたとき、収益の前に費用の熟慮を忘れてはいけません。
自分で買主を探すか業者に依頼するかやその場合の諸費用はどのくらいかなどです。
不動産を希望通り売却できても譲渡所得に対する納税義務が発生するので、税額はシミュレーションしておきましょう。
その際に見逃せない数値が減価償却費で、購入からの経過年数で変わります。
耐用年数や建物の構造による償却率なども同様ですから予め把握しましょう。
不動産は決して安いものではありません。
理解しづらいときには専門家に相談したほうが良いでしょう。
✔不動産売却を考えたとき、収益の前にどんな費用がどれくらいかかるのかを考えよう!
✔難しいときは専門家に相談しよう!
かかる費用を把握しておけば、モノによってはそれを抑えることができます!
一つ一つ見ていきましょう。
不動産売却のシミュレーションとしてはどれくらいの費用がかかるのかそれぞれの内容で分ける必要があります。
一般的なのは売買価格です。
次に不動産売却時に必ず必要となる所有権移転登記およびそれに伴う登録免許税の費用がそれぞれに必要です。
また、司法書士や行政書士などの専門家への依頼量が必要になってきます。
最後に全体を通して不動産会社に依頼する額がポイントとなります。
独力でシミュレーションを行おうとしたときに、役に立つのが全国地価MAPになります。
これはインターネットのサイトで全国的に公開されている道路の路線価格を元にその場所の土地の価格を試算できるものになります。
土地の値段算定において一般的に用いられる一つの指標が固定資産税価格です。
これは対象不動産が接している主路線の価格を7割り戻しした額です。
このため、実際の取引価格よりは低めを想定していますが、信頼できる一つの指標と言っても過言ではありません。
不動産会社に全てを依頼するにしても、どのように土地の価格が決められているのかを知ることは大切です。
不動産会社との話し合いでもこちらから話す情報に説得力が増すので、話し合いが実りある内容の濃いものになります。
他にも相続税路線価格や不動産鑑定士に依頼した価格など様々有りますが、最後のは依頼量が莫大な費用としてかかりますので、そこまでお勧めしません。
結局不動産鑑定士提示価格自体、固定資産税路線価格などを参考に作成していますので、そこまでの乖離はありません。
他には国や県が発表しているその地域ごとの代表的な土地である地価調査、地価公示価格を参考に比較比準することで大まかな価格算定をする方法があります。
比準表に書かれてある個別要因などを参考に個別具体的に比較対象をすることで利用形態などより細かな土地の状況を客観的に判断することが可能です。
これをあらかじめしておけば、大まかな値段が把握できるだけで無く、不動産会社に売主の不動産売却に対する希望額を伝えるときにも、どうしてその金額なのか説明し易くなります。
説明が分かり易いと言うことは会社側から賛同が得られやすいと言うことに繋がるので、何度も話し合いをしないといけないと言った手間を省くことが出来ます。
両者の思いが一つになることで不動産売却にかかる諸手続の手間が省けてスムーズに進みます。
不動産売却にさほど時間を割くことが出来ない売主にとっては朗報です。
売買契約締結後に所有権を移転しないと悪意の第三者が買主の権利を妨害する恐れがあります。
日本は登記絶対主義では有りませんが、裁判などで勝つためには客観的な事実が必要です。
土地を売主から購入して占有していただけでは弱いので、やはり所有権移転登記は契約とセットで行うべきでしょう。
不動産会社に専門資格所持者へ紹介してもらえば、売主が探さなければならない手間が省けます。
資格所持者が信頼できる不動産会社からの依頼であれば仕事として受けやすいです。
信頼関係があってこその不動産業界なので、彼らのコネクトを上手に使ってなるべく手間や費用がかからないようにします。
所有権移転登記手続きおよび登録免許税にかかる費用はそこまでかかりませんが、それに伴う書類作成を責任を持って行わなければ後々のトラブルになります。
この責任を専門家である司法書士や行政書士に負わせることによって売主にとっては安心して不動産売却に専念できるのです。
不動産会社を介して依頼しないと莫大な依頼量を支払わなければならない羽目になりますので注意しましょう。
運が悪いとそもそも仕事として認識して貰えず門前払いを食らう可能性が出てきます。
やはり不動産会社に一括依頼するのが良いでしょう。
良心的な不動産会社だと仲介手数料の額を見積書に提示してくれるので明朗会計により安心できます。
最終的にどれだけさっ引かれるのかが売主にとっては重要です。
いくら高い額で買い手が見つかったとしても手数料に持っていかれては手元に残るお金が無くなります。
業者に依頼するときによりわかりやすい見積書を作成している会社を優先的に選びましょう。
不動産売却には売買以外にもすることがたくさん有ります。
最終的に売主と買主双方迷惑がかからないようにするにはどうしたら良いのか考えた上での費用なので必要最低限と言えます。
最近ではインターネットの公式サイトでも無料で一括査定してくれる会社が増えてきました。
パソコンの中に過去の売買実例を多数入れているので瞬時に情報として取り出すことが可能です。
それを元におおよその売買金額予想やどれくらいの買い手がいつまでにつくのかなどのシミュレーションを踏まえて全行程を意識した見積書を作成します。
無料見積もり自体はさほど時間がかかりませんが、全行程を踏まえた一括査定であればかなりの時間がかかりますので、不動産売却をすぐにでも行いたい人にとっては少しでも早めに依頼するように心がけましょう。
最低でも3社以上に無料見積もりを依頼するのが良いでしょう。
理由としては2社だけだと裏付けとなるものがないので、売主自体で見積書に書かれている内容の取捨選択がしにくくなります。
不動産会社としては得意不得意がそれぞれにありますので、売主がその中で何を最も重視するのか踏まえた上で、最も自分の考えに適する見積書を作成した業者に仕事の依頼をすると意見の食い違いなどがなくなりスムーズに事が進みます。
依頼を掛ける時期は全会社なるべく同時並行が良いです。
理由としては同時にすることで仕事をどれだけ素早く処理しているかなど判断できるからです。
フェアな立場から不動産会社相互の能力を総合的に判断することで、依頼した後悔いが残らないようにします。
このように不動産売却には独力で行うシミュレーションと業者に依頼して行ってもらうシミュレーションの二つがあります。
どれもそれぞれ行う意味がありますので、なるべく早めに処理するよう心がけます。
✔必要な費用を把握すればそれを節約することができる!
✔手元に残るお金を増やしたい→一括査定を申し込む
不動産売却の利益を最大化させたいときは、できるだけ多くの査定を受けることが大切です。
そもそも、不動産売却の時に行われる査定方法は、各会社によって全く違います。
根拠としている査定方法が違っているわけですから、算出される金額も違いが大きくなる可能性があるのです。
一つの会社だけにこだわって査定を受けると、大きな金額で査定を行ってくれる会社を見逃してしまう可能性が出てきます。
そのため、査定のシミュレーションはできるだけ多くの会社にやってもらうことが重要になるわけです。
もちろん、そのときにはそれぞれの査定方法のメリットとデメリットをチェックしておくことも大切です。
不動産売却の前提として、買取と仲介の違いを理解しておくことはとても重要です。
不動産売却のときには、不動産をそのまま買い取ってもらう方法と、仲介業者を通して不動産を買い取ってもらう人を探す方法と二つあります。
買取の場合
→専門業者が所有者と直接交渉を行うことになりますので、金額面で有利になる可能性が存在します。
しかし、直接的に業者と交渉を行うときには所有者が不動産に関する広範な知識や資格等を有していなくてはならないこともあります。
仲介の場合
→手数料などが必要になる反面で取引をスムーズに行えるメリットがあるため、将来的なシミュレーションを立てやすいという特徴があるのです。
不動産の査定の際には、簡易的な査定から入っていくことが基本です。
この査定方法は、一般的に机上査定と呼ばれている手法です。
机上査定は、簡易的に当該不動産の売却価格を計算するために売却物件の詳しい状況を見ずに価格を算出していきます。
本来は、具体的な状況を把握したほうがより詳細で正確な価格を出せるのですが、このような事をしてしまうと時間がかかってしまいますので、効率的に不動産を売却することができなくなります。
業者も一つの不動産に割くことができる時間には限りがありますので、まずはこうした簡易的な方法で計算をして大まかなシミュレーションを立てるわけです。
スピーディな査定を実行できる机上査定ですが、当該物件を直接的に分析するわけではありませんので当然その査定方法は正確ではありません。
現状の一般的な相場と比較して妥当な金額が算出されるだけなので、個別具体的なポイントは考慮しないというデメリットがあります。
過去の売却事例や周辺の物件情報、市場の動向などは参考にしますが当該物件の良し悪しを判断しているわけではありません。
ですから、かなり客観的で簡単な指標となります。
個別に評価できるポイントが存在する場合には、別の査定方法を利用したほうが不動産売却時の価格は高騰する可能性が高くなるわけです。
過去の売却事例や周辺の不動産情報はもちろん、不動産の現状をきちんと把握して査定する方法も存在します。
こうした査定方法は、訪問査定と呼ばれています。
訪問査定を行うときには、仲介業者や不動産会社から不動産鑑定に関する専門的な資格を有した人物が査定に訪れることが多いです。
つまり、価格査定に関する信用性がかなり上昇します。
訪問査定の場合は、かなり細かな部分まで見ていきますのでそれが価格に反映されることになります。
周辺の環境を含めた立地条件や日当たりの状況、地域のインフラ状況や都市開発の状況など非常に具体的に見ていきます。
当然、ここで評価されると査定価格は一気に高騰します。
具体的に査定を行ってもらえる訪問査定は、確かに大きなメリットがあるように見えます。
しかし、その査定が必ず良い方向に反映されるというわけではないというデメリットもあります。
例えば、所有不動産に何らかの欠陥が見つかってしまった場合には、そのマイナス要素が査定に加味されてしまう可能性もあるわけです。
この場合、不動産を見ずに評価してくれる机上査定の方が価格が上になるということもあります。
また、訪問して査定を行う性質上、しつこい営業にあってしまう可能性も否定できません。
自分の納得のできる価格なら問題ありませんが、割安に評価されてしまいその上で営業をかけられると損をしてしまう可能性もでてきます。
ですから、この点のデメリットはきちんと把握しておかなくてはいけません。
不動産売却で相場を決める基準として、法律的に推奨されている方法がいくつかあります。
具体的には、取引事例比較法、原価法、そして収益還元法の三つです。
不動産会社では、上記の机上査定と訪問査定に加えて、この三つの相場の基準を組み込むことでできるだけ正しい相場を提供しています。
特に重宝されているのが、取引事例比較法という方法です。
原価法は計算方法や調整が難しく、収益還元法は主に投資用に不動産価格を算出する方法として利用されています。
どれも一長一短が存在しますので、机上査定や訪問査定の立場からもどの基準を採用しているのかを確認しておくことが大切です。
取引事例比較法や収益還元法などを利用する時に大切なのが、専門的な項目を検討するのかどうかです。
例えば、取引事例比較法は過去の取引事例や周辺の価格を考慮した現状の相場を算出できるものなので、中身の考え方は実は机上査定とほとんど変わりません。
つまり、机上査定を行う際にはこの方法を採用していることが非常に多いわけです。
反対に、取引事例比較法を採用していたとしても、訪問査定を行っている場合にはそこに個別具体的な専門的要素を加味している可能性があります。
結局、不動産会社がどのスタンスをとっているかによって査定金額は大きく異なるのです。
この点は、不動産売却時のシミュレーションで間違わないように気を付けなくてはいけません。
不動産売却では、幅広くシミュレーションを行ってどの会社の査定が最も高いのかを検討する必要があります。
機械的な方法だけではわからないこともありますし、個別に見てもらっても必ず価格が上がるとは限りません。
過不足なくシミュレーションをするためには、なるべく多くの査定を受けることが重要になります。
そうすることで、利益を最大化できる可能性が広がります。
不動産売却に必要になる計算項目や、それに伴うシミュレーションの方法は一つではありません。
それぞれの会社が採用している査定方法も異なっており、所有している不動産によっては利益の大きさも違ってきます。
このような状況で不動産売却の利益を最大化させるためには、なるべく多くの会社から査定を受けることが大切になります。
一つの会社だけでは見えなかったことも、複数の会社で査定をしてもらえれば良いところが見えてきます。
メリットとデメリットを理解して、所有不動産にとって最も理にかなった選択をすることが重要です。