ホーム >> 不動産コラム >> 不動産売却 >> 狭小住宅は住みやすいのか、メリットデメリットや坪単価まで解説
更新日 2019.12.25

狭小住宅は住みやすいのか、メリットデメリットや坪単価まで解説

この記事を執筆した人
smileの画像
-Smile編集部-
この記事は、Smile編集部が作成した記事です。
Smileでは、不動産をテーマに不動産売買や不動産投資について情報発信をしています。
Smile編集部が監修した他の記事はこちら→

狭小住宅はここ10年ほどで増えてきた戸建住宅の一形態です。

そもそもどんな住宅を狭小住宅というのでしょうか。

メリットやデメリットはどんな点にあるでしょうか。

狭くて小さい住宅なのできちんと住めるのか不安な人もいることでしょう。

狭小住宅の注意点もしっかり勉強すれば購入候補のひとつとして検討もできるようになるのです。

ここでは、狭小住宅のメリット・デメリットだけでなく、狭小住宅の間取りや坪単価の目安も解説していきます。

そもそも狭小住宅とは?

狭小住宅とはの画像

そもそも狭小住宅とはどんな住宅なのでしょうか。

一般的には狭いけど機能的な住宅、というイメージがあります。

調べてみると狭小住宅には明確な定義はなく、これ以下の広さは狭小住宅、という基準はありません。

また、狭小住宅がどんな場所に立地しているかも調べました。

狭小住宅の基礎知識について勉強しましょう。

狭小住宅とは、読んで字のごとく狭くて小さい住宅のことです。

ただ、明確な定義はなく、この大きさを下回ったら狭小住宅、という基準はありません。

東京都心では広いとされる住宅でも、郊外に行けば狭小住宅になる場合もあります。

定義はないというものの、一般的には約50㎡、つまり15坪以下の敷地に建つ住宅を狭小住宅と呼ぶことが多いようです。

狭小住宅はまちの中心部の地価が高い地域に多く建築されています。

一番の理由は地価が高いからです。

土地の単価が高いので大きな敷地を購入できないことになります。

かつては東京の23区内が中心でしたが、大阪市、名古屋市といった都市や東京近郊の都市でも建築がさかんです。

狭小住宅はまちの中心部でも建築されている場所が限られています。

道路が狭かったり、住宅が密集したりしている地域に多い印象です。

これは法律上の規制と工事のしにくさが原因になります。

道路が狭いと法律的にも大きな建物を建築できず、大きな重機も入りにくいためマンションが建築できないのです。

POINT

✔定義はないが、約50㎡、15坪以下の敷地に建つ住宅をいう。

✔まちの中心部の地価が高い地域に多く建築されている。

✔道路が狭かったり、住宅が密集したりしている地域に多い。

狭小住宅の価格と相場について

価格と相場の画像

狭小住宅とは狭い分安いのでしょうか。

確かに総額は押さえられているものの、坪単価ではむしろ高い場合があります。

もちろん、大手メーカーと中小メーカーでは価格が異なるものです。

狭小住宅の価格と相場について調べました。

狭小住宅は多くのメーカーで商品が発表されています。

パナソニックホームズやミサワホームといった全国的なメーカーから、地元の工務店まで多種多様です。

大手メーカーの商品を見ると、坪単価で60万円から70万円程度が多くありました。

中小メーカーではこれより安く、およそ坪単価で50万円程度からあるようです。

この単価は付帯費用が含まれていないので注意が必要になります。

どのメーカーも狭小住宅用の商品は一般的な戸建住宅よりも割高に設定されています。

体感的には一般的な戸建住宅の坪単価よりも10万円から20万円ほど高めになっているようです。

これは設計や施工の難しさが反映されています。

総額で考えると一般的な戸建住宅と同水準か割安な場合もあるのです。

POINT

✔大手メーカーで坪単価60万円から70万円程度が多い。

✔中小メーカーでは坪単価で50万円程度から建てられる。

✔一般的な戸建住宅の坪単価よりも10万円から20万円ほど高め。

狭小住宅の間取りについて

間取りの画像

狭小住宅の間取りはどのようになっているでしょうか。

間取りは3LDKから4LDK程度が一般的ですが、間取り以外にもスペースを確保するアイデアが満載です。

狭小住宅の間取りとその特徴について調べてみました。

間取りについては3LDKから4LDK程度が一般的です。

典型的な3階建の狭小住宅を見てみると、1階にバス、トイレと寝室。

2階にリビングとダイニングキッチン。

3階に2部屋程度があります。

狭小住宅はその名の通り、敷地も建物も広くありません

したがって、一部屋の面積も大きくないのです。

6帖あれば広いほうで4.5帖やそれ以下の部屋もあります。

また、敷地が道路に対して縦長の場合が多いので建物もそれに連れて細長い形状です。

部屋も長方形の部屋が増えます。

狭小住宅は建築法令の枠組みを目いっぱい使った建物といえます。

そのひとつが3階建です。

また、地下室は一定の要件の下では容積率の算定に含まれません。

このため、狭小住宅の中には地下室を設置しているものもあります。

敷地の上にも下にも、知恵とアイデアでスペースを確保していく。

それが狭小住宅なのです。

POINT

✔間取りについては3LDKから4LDK程度が一般的

✔敷地や建物も広くないため、一部屋あたりも狭い。

✔狭小住宅は建築法令の枠組みを目いっぱい使った建物といえる。

狭小住宅のメリット

メリットの画像

まちの中心とはいえ、文字通り狭小な路地に面して建っていることの多い狭小住宅。

狭小住宅のメリットはどこにあるのでしょうか。

小さい住宅ゆえに総額も抑えることができ、都心部に住むことができる理由がそこにあるのです。

狭小住宅は狭いゆえに総額を抑えることができます。

敷地が狭ければその分土地価格を少なくすることが可能です。

また、建物面積も小さいために建物の価格も安くすることができます。

この結果、そのまちの一般的なサラリーマンでも購入できる、手が出しやすい価格帯になるのです。

狭小住宅のメリットは何といってもその立地条件です。

普通ならばマンションに住まなければ住めないような都心に戸建を持つことができます。

マンションは騒音や隣の住戸の人との関係など特有のわずらわしさがあります。

敷地内を独占できる狭小住宅はこうした悩みがないのです。

狭小住宅、というと狭いことに対して後ろ向きの響きがあります。

ここでは発想を転換してコンパクトと解釈してはどうでしょうか。

意味もなく広い家は使いにくいのも事実です。

実際狭小住宅は狭いながらも必要十分な設備とスペースが確保されています。

あらゆるものが近くにあるコンパクトな設計なのです。

POINT

✔一般的なサラリーマンでも購入できる価格帯が多い。

✔マンションでしか住めないような都心に戸建を持つことができる。

✔狭いながらも必要十分な設備とスペースが確保されている。

狭小住宅のデメリット

デメリットの画像

狭小住宅にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。

狭小住宅の名の通り、狭いことは間違いありません。

このほかにも坪単価が割高になったり、廊下などが多くなり利用効率が悪くなったりとデメリットもあります。

狭小住宅のデメリットのご紹介です。

狭小住宅のデメリットの第一は何といってもその狭さです。

建物も30坪を切ることが当たり前なので家族4人が限度といってよいでしょう。

大家族や三世帯同居は想定されていません。

部屋数もさることながら、一部屋の大きさにも限度があります。

縦長の敷地になりやすいため、建物も細長い形状になります。

奥行きはあるけれど間口の狭い家は使いにくいものです。

狭いとはいえ、土地はまちの中心にあるため割高です。

さらに区画割をする費用、水道や下水道を引くコストも加わるので土地価格は上昇します。

建物も狭い空間で建築するので効率が悪く、人件費や材料費が高くなるのです。

狭小住宅で一般的な3階建は階段や廊下のスペースが必要になるため、部屋以外の空間にスペースを割かれます。

2階建よりも3階建が1.5倍スペースを確保できるわけではないのです。

このためリビングに階段を設置するリビング階段が採用される場合もあります。

POINT

✔狭さはデメリットの第一。家族4人程度が限界。

✔土地はまちの中心にあり、建物も施工性が悪いため割高

✔三階建は階段や廊下の割合が高いため、利用スペースが少ない。

狭小住宅の注意点

注意点の画像

生活に必要なものがコンパクトにまとまっている狭小住宅。

まとめるために犠牲になる部分もあります。

ここでは郊外の戸建住宅とは異なる狭小住宅の注意点について説明します。

狭小住宅を選ぶうえで注意すべき点はどんなところにあるでしょうか。

戸建住宅の特徴のひとつに増改築できる可能性が挙げられます。

家族構成にあわせて部屋を増やすことも可能です。

ただし、狭小住宅の場合は増改築が困難になります。

もともと敷地が狭いため、法令制限ぎりぎりまで建てられている場合があるのです。

また、施工も難しくなります。

まちの中心には多くの高層建築物があります。

このため日照や通風が妨げられる場合があるのです。

法律も住環境よりも商業性に重きを置いた制限になっている地域が多くあります。

このため、郊外の戸建住宅とは異なる居住環境です。

日照や通風は最低限と考えましょう。

狭小住宅は部屋の面積を確保しようとするあまり、押し入れなどの収納スペースを犠牲にしている場合があります。

庭がほとんどない狭小住宅で物置を設置することも困難です。

荷物が部屋にあふれ、ただでさえ狭い部屋を圧迫する可能性もあります。

間取り図や内覧で収納スペースを確認しましょう。

POINT

✔敷地に目一杯建てられており、増改築が限られる場合が多い。

✔まちの中心部に位置するため、日照や通風は最低限と思ったほうがよい。

✔押し入れなどの収納スペースを犠牲にしている場合がある。

狭小住宅ならここ!

おすすめの画像

狭小住宅は多くのメーカーが参入しているジャンルです。

大手から中小までメーカーがある中でローコストでありながら、評判のよいメーカーをご紹介します。

アイダ設計は、昭和56年に設立された埼玉県に本社を置く住宅メーカーです。

支店は全国で94か所、23都府県に展開しています。

売上高は約500億円と中堅の住宅メーカーとしてはまずまずの規模です。

ホームページを見ても狭小住宅についての言及があることから、狭小住宅の設計、建築にも実績があります。

木造住宅メーカーであることから大工の育成にも熱心で、技術者の養成にも余念がありません。

アイダ設計はローコストメーカーとして名前が知られています。

「555万円の家」や「888万円の家」といった破格の値段で話題です。

こうした安い物件は話題づくりや広告費込みの値段ですが、それ以外でも坪30万円台から戸建住宅を建築しています。

狭小住宅はこの値段とは限りませんが、かなりの安さです。

シンプルでコンパクトな家を建てることには定評があります。

ネットで探してもアイダ設計に対するネガティブな書き込みはあまり見当たりませんでした。

ローコストメーカーというと安かろう悪かろうのイメージですが、アイダ設計はこれには当たらないようです。

POINT

✔昭和56年に設立された埼玉県に本社を置く住宅メーカー。

✔アイダ設計はローコストメーカーで坪30万円からでも建築可能。

✔ネットで探してもアイダ設計に対するネガティブな書き込みは少ない。

参考URL

https://www.aidagroup.co.jp/

https://mansion-uru.jp

まとめ

まとめの画像

狭小住宅はここ10年ほどで急速に増えてきました。

都心で家を持ちたいという人が増えたことと、都心の土地を有効活用しようとする需要と供給のバランスが取れたからでしょう。

狭小住宅は立地条件に優れ、総額も抑えられています。

その一方でその狭さと拡張性の乏しさには注意が必要です。

都心で狭くてもいいから戸建住宅がよいという人にはうってつけの物件になります。

一方で戸建住宅ならでは快適性を求めると難しいこともあるものです。

土地建物に総額では郊外の戸建住宅とそれほど変わりません。

ただ、単価でみると土地建物とも割高になります。

ここに挙げた狭小住宅のメリットとデメリットをよく踏まえたうえで検討しましょう。