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更新日 2019.1.11

不動産を売却する際に知っておきたい3種媒介契約の基礎知識と注意点

媒介契約には3つの種類がある

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マンションやアパートでも一戸建て住宅でも同じですが、不動産会社を通じて別の人に売却をする場合、この不動産会社とは媒介契約と呼ばれる契約を最初に締結することになります。

媒介契約は文字通りに建物を買いたい人と売りたい人との仲介をすることを意味していますが、実はこの契約には3つの種類があらかじめ設けられています。

不動産を売りたい人はそれぞれの目的にしたがってふさわしい契約類型を選びます。

種類によってサービスの内容やその他の制限が違っていますので、売りたい物件の特徴なども踏まえながら、慎重に判断をすることがたいせつです。

このような契約の種類は全国共通ですので、不動産会社全般に通用します。

媒介契約の種類が全国共通となっているのには当然ですが理由があります。

不動産会社は宅地建物取引業法と呼ばれる法律や、その委任を受けた下位の政省令などにもとづいて営業しています。

実は媒介契約の種類についても、この法律や政令などに定めがあるほか、別に標準媒介契約約款と呼ばれる契約書の雛形までも国土交通大臣が定めたものがあります。

こうしたことから各地の不動産会社でもオリジナルな内容での契約を交わすのではなく、国の定めた雛形などを踏まえた堅実な営業に心がけているわけです。

媒介契約を不動産会社と交わした後で、もしも無事に不動産を売却することができれば、その不動産会社に対しては一定の成功報酬としての仲介手数料を支払う必要があります。

この場合の報酬の金額についても、国土交通大臣が定めた告示によって、売却金額などに応じた割合が上限額として決まっています。

つまりは当事者どうしの契約だからといって、どこまでも自由に仲介手数料を決めてもよいというわけではなく、国によって一定の歯止めとなる上限額が決まられていて、それを超えるような不当に高額な請求は認められないことになっています。

一般媒介契約はいくつかの種類がある媒介契約のなかでも基本となるものです。

この契約も他の種類と同じく、不動産会社に依頼をして売却する相手を見つけてもらい、成約した際に所定の仲介手数料を支払います。

もちろん物件の広報宣伝や現地案内、契約書類の作成などといった細かな事務も不動産会社が引き受けます。

しかし最大の特徴としては、複数の不動産会社に対して同じ物件についての契約を重複して依頼してもよいという点で、場合によっては依頼をした人みずからが友人知人などから購入希望者を見つけてきてもよいことも挙げられます。

これは専任と名前が付いている他の種類の契約とは大きく異なるところです。

一般媒介契約が複数の不動産会社との契約を認めている以上は、たとえば駅や公共施設に近い物件、中心市街地にある物件などの、黙っていても購入希望者が集まるような、比較的人気が高い物件に適用すると好都合です。

依頼をした不動産会社の間で一種の競争が起こりますので、より条件がよい購入希望者を紹介してきた不動産会社をメインとして売却交渉を進めれば、売主側のメリットも大きくなるためです。

その代わりに不動産会社のほうに義務付けられているサービスの水準は、専任媒介契約などよりも緩和されていますので、逆に不人気な物件に適用したとしても、好ましい結果が得られない可能性があります。

専任媒介契約は文字通りの意味で、依頼する不動産会社は複数ではなく、ただ一社のみというかたちになります。

すでに依頼している会社を差し置いて別の不動産会社にも同時に依頼をすることは契約違反となりますので注意しなければなりません。

ただし依頼をした本人が購入希望者をみずから見つけてきて、その人との間で売却交渉をすることは認められています。

この専任媒介契約を締結した場合には、不動産会社は一定の期間内に指定流通機構と呼ばれる不動産会社のネットワークに物件情報を登録しなければならないほか、その後の依頼主に対する定期的な状況報告なども義務付けられますので、一般媒介契約よりはサービス水準が高いといえます。

専任媒介契約はこのようにサービスの水準から見ればより手厚い部分があり、特に指定流通機構への登録によって全国の不動産会社に対しても物件情報が瞬時に伝わることになりますので、購入希望者を幅広いエリアから早期に見つけることができるという点でのメリットは大きいといえます。

専任媒介契約では不動産会社間での競争がはたらかない分、逆に顧客が見つかれば不動産会社としても仲介手数料を総取りできるインセンティブが高まりますので、親身になって広報宣伝などの販促活動を進めてもらいやすいという部分でのメリットもあり、あまり人気がない物件でも成約につなげやすいことは事実といえるでしょう。

専属専任媒介契約というのは、法令上は専任媒介契約のさらに特殊なケースとして位置付けられています。

すなわち専任媒介契約の要件に加えて、不動産会社が見つけてきた相手以外とは売買や交換の契約ができない旨の特約を含んでいるものとされています。

これを平易に解釈すれば、他の不動産会社と同時には媒介契約を結ぶことができず、かならず特定の一社に依頼をする必要があり、なおかつ依頼した本人がみずから見つけてきた相手との売買もできないということを意味します。

もしも本人が購入希望者を見つけた場合であっても、このような条件を満たすためには、いったん依頼した不動産会社を通さなければなりません。

専属専任媒介というのは専任媒介契約のなかでもさらに特殊な契約の類型ですが、指定流通機構への登録や定期的な報告などの期限はごく短く設定されており、必然的に専任媒介契約よりもサービス水準はより高くなっているといえます。

そのため特に依頼者自身が購入希望者を探し出すことが困難なケースで、あまり人気も期待できないような物件について、不動産会社が持っている能力をフル活用して成約へと結びつけたい場合には適した契約の種類ということができるでしょう。

契約期間は3か月を超えることはできませんが、更新によって延長することは可能となっています。

媒介契約種別のメリット・デメリット比較

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専属専任媒介のメリットを取り上げる時に、一番大きいのは広告の出し方です。

専属専任媒介で契約をすれば、他の不動産会社は仲介業務を取り扱うことが出来ません。

言い換えれば、成果を横取りされることはないので、費やしたお金が無駄になることはありません。

それどころか不動産媒介契約は3ヶ月という期限が決まっているのが一般的で、その間に購入希望者を見つけることが出来なければ、他の不動産会社にお客を取られてしまいます。

ですから、住宅情報誌やサイトで積極的に広告を出してくれます。

不動産会社が積極的になってくれれば、それだけ早く購入希望者が見つかることになり、取引もスムーズに行うことが出来ます。

不動産会社と媒介契約をしたとしても、絶対に購入希望者が見つかるとは限りません。

状況によっては、価格を下げるなど柔軟な対応をする必要があります。

そのためには、不動産会社からどのような仲介業務が行われているのか、細かく報告を受けなければいけません。

専属専任媒介の場合には、その報告を1週間に1回以上行うことが法律で決まっています。

媒介契約の中では報告の頻度が一番多くなっており今どういう状況にあるのかを把握しやすいのがメリットのひとつです。

販売状況がわかれば、不動産会社と話し合いがしやすく売れ残りが起こりにくいです。

購入希望者は、絶対に不動産会社を介さなければ見つけることが出来ない、というわけではなく、売主が知り合いに話を持ちかけて買ってもらうというケースもよくあります。

でも専属専任媒介の場合には、すべてを契約した不動産会社に任せるということになっており、自分で見つけたとしても契約した不動産会社を仲介する形で売却することになります。

そうなるとどれだけ売主が購入希望者を見つけるために頑張っても、仲介してもらうために仲介手数料を支払うことになり余計なコストがかかります。

できるだけ多くの利益を得たいと思っているならば、これはデメリットです。

ただ、そのときには不動産会社が仲介手数料を下げてくれることもあります。

普通に考えれば1社だけに仲介業務を任せれば、その不動産会社は頑張って営業をしてくれるはずなのですが、時にそうではない可能性もあります。

いわゆるハズレといっていい不動産会社であっても、他の不動産会社に任せる事ができない状況になるのが専属船員媒介契約のデメリットです。

専任媒介契約では途中で解約をすることもできますが、特に落ち度がないときにはそれまでに広告や事務手続きで発生した費用は支払わなければいけません。

期待通りに動いてくれない不動産会社と契約をしてしまうと、時間とお金の無駄になってしまうことがあるので、契約をするときにはよくよく注意して不動産会社を選ばなければいけないのです。

専任媒介契約は専属専任媒介と同じく、契約する不動産会社は1社だけです。

ですから、雑誌やネットに出す広告費を無駄に出し惜しみすることはなく、それだけ多くの人に目に物件情報が触れることになります。

そして専任媒介契約では自分で購入希望者を見つけて売却することが認められています。

ですから不動産会社が積極的に動いて、早く購入希望者を見つければよし、そうでなくても自分で動いて売却をすることができるので時間が無駄になる心配なく、早く終わらせる事ができることがメリットです。

専任媒介契約では専属媒介契約のように契約した不動産会社に任せることになるのですが、その一方で法律で義務付けられている販売状況の報告義務は2週間に1回以上ということになっています。

それでも十分という場合もありますが、専属専任媒介で決まっている1週間に1回以上という報告義務に比べれば、状況を把握できるまでのタイムラグが開いてしまいます。

他の不動産会社に頼ることが出来ないのに、現在の状況が掴みにくいというのは売主にとってはもどかしい状況です。

信頼できる不動産会社であれば、それでも任せられるでしょうが、そうではないときには本当に動いてくれているのかが不安になります。

一般媒介契約を選ぶことの一番のメリットは、複数の不動産会社と同時に契約をする事ができることです。

不動産会社というのは、それぞれに特徴があり強味と弱味があります。

1社だけに頼り切ると、選択に失敗したときには家が売れ残ってしまうリスクが発生します。

でも複数の不動産会社が動いてくれるならば、1社がだけでも他の会社の働きでいい結果につながるかもしれません。

つまり、契約をする時に大きな失敗をすることが亡くなるのです。

それに個別で広告を出してくれれば、それだけ人の目に触れる機会が増えて購入希望者が出てくる可能性も高まります。

だから、上手く行けばスムーズに家の売却を進められるのです。

一般媒介契約となれば、複数の不動産会社が参入することになりますが、成果を出せるのは1社です。

当然のことながら、仲介手数料は取引に携わることが出来た不動産会社だけですから、そのポジションを狙って競争となります。

しかも、一般媒介契約では売主も買主を自力で探す事ができます。

何も動かないと儲けはでません。

ということで他社に利益を奪われないように積極的に動けば、それだけ購入希望者が見つかりやすくなり、売却までの期間が短くなります。

専任媒介契約や専属専任媒介では、契約している不動産会社に他社から買主を紹介されることがあります。

でも、その紹介を受けて売買契約を結ぶと利益が少なくなるので自社で買主を見つけるために断る「囲い込み」が起きることがあります。

一般媒介契約では物件の情報も仲介する権利も1社だけではないので、「囲い込み」は起きないのがメリットです。

一般媒介契約のデメリットは、不動産会社が動いてくれないかもしれないことです。

購入希望者を見つけなければ不動産会社も仲介手数料が入らないので利益が出ませんが、お金をかけていろいろな媒体で広告を出したのに、他の不動産会社が購入希望者を見つけてきたら、意味がありません。

というのも不動産会社としては、特別に依頼した広告であれば売主に請求できますが、そうではなく普通の広告であれば自己負担ということになっているからです。

利益が欲しい不動産会社としては、損失を抱えることは出来ませんから、多額のお金を費やして広告をすることができなくなり、物件情報に触れる人が少なくなれば購入希望者が出てきません。

契約方法の選び方

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専属専任媒介契約は、「面倒なので全部不動産仲介業者に任せたい」という人に向いた媒介契約です。

不動産売却の窓口を一社に絞ってしまうため、複数の不動産業者とやり取りをする必要はありません。

一社とだけ連絡を取っていればよいので、面倒なことが嫌いな人や忙しい人には非常に便利な方法です。

「不安なので全部プロに任せたい」という人にも相性の良い媒介契約といえます。

初めての不動産取引だったり、不動産の知識に自信がない場合は、自分主導で動くよりも不動産仲介業者に任せてしまった方がうまくいくケースが少なくありません。

そういった希望を伝えれば、全て不動産仲介業者が流れを作ってくれます。

不動産の売却を成功させるためには十分な広告活動が不可欠ですが、「少しでも広告費をたくさんかけてほしい」という人にも専属専任媒介がおすすめです。

物件が他社の仲介で契約が決まってしまった場合、不動産仲介業者には1円も入らず、広告活動の費用は全て赤字となってしまいます。

しかし、専属専任媒介は他社で決まってしまう恐れがないため、不動産仲介業者としても広告費をかけやすいという媒介契約なのです。

広告費をかければ成約価格でも有利になります。

近年はネットの検索で物件を探す人が増えていますが、新聞折込広告やポスティング広告なども依然としてかなり強い影響力を持っています。

紙媒体の広告はそれなりに費用がかかるため、予算をかけやすい専属専任媒介が有利です。

指定流通機構(レインズ)への登録が媒介契約から5日以内に登録が義務付けられていることも重要なポイントです。

レインズでの物件業者はほかの不動産会社も閲覧できるため、他社の買主からのアプローチも期待できます。

専属専任媒介契約では一週間に一度、売主に売買活動の状況を報告することが義務付けられており、不動産仲介業者からこまめに連絡をしてもらうことができます。

「安くない仲介手数料を払うのだから、それぐらい当たり前ではないか」と思う人もいるかもしれませんが、一週間に一度必ず報告をもらえるのは専属専任媒介だけなのです。

報告の形式はさまざまですが、多くの不動産仲介業者は書面と電話の両方で報告してくれるなど、細やかなフォローをしてもらうことができます。

売り出し価格やオープンハウス・オープンルームなどのイベントの相談、今後の広告活動などさまざまな相談をすることができるので安心です。

専任媒介契約は専属専任媒介契約と似ている媒介契約ですが、自己発見取引の場合には不動産仲介業者を通さない個人間取引が認められているという特徴があります。

そのため、親族や友人・知人などに不動産を売る可能性がある人にとっては非常に都合の良い媒介の方法です。

個人間取引の最大のメリットは、仲介手数料が不要になるということです。

一般的な価格帯の不動産では「成約価格の3%+6万円+税」になるため、決して安い金額ではありません。

都市部などのように物件価格が高い場合は、仲介手数料だけで100万円を超えてしまいます。

これを節約できるのは非常に大きなメリットです。

ただし、不動産取引に関する最低限の知識が必要になるため注意が必要です。

また、親族や知人ほど、後々のトラブルはやっかいになります。

多少のコストは掛かりますが、司法書士などのプロに契約書の作成を依頼することが無難です。

専任媒介契約にも定期的な営業活動の報告義務が課されていますが、期間は二週間に一度と、専属専任媒介契約に比べてやや長いスパンになっています。

忙しい人や売り急いでいない人のなかには、あまり頻繁に連絡がきても迷惑だと感じる人も少なくありません。

そういった人には専任媒介契約がおすすめです。

複数の仲介業者に売却を依頼する一般媒介契約は、業者間に競争原理が働くことが期待できる方法です。

特に物件が高額の場合、業者が手にする仲介手数料も高額になります。

同じ一件の契約でも、物件価格で手数料が大幅に上下するのが不動産仲介の特徴です。

手間や難易度は全く手数料に反映されないため、不動産業者は競って高い物件を売ろうと全力を尽くすのです。

その結果、成約価格が上がり、成約スピードもアップしていきます。

また、いわゆる人気物件にも同様の傾向が見られます。

人気のあるマンションや人気エリアの一戸建てなどは、買いオーダーを出している既存顧客が多く存在します。

つまり、そういった既存顧客を抱えている不動産仲介業者は、売り物件が出ると同時に客付けをすることが可能なのです。

一般媒介契約では多くの不動産仲介業者にアプローチすることができるため、人気物件は迅速かつ有利な条件で成約が可能になります。

物件情報が多くの買い顧客の目に留まるためには、露出度の高い広告活動が不可欠です。

最近ではほとんどの不動産仲介業者が自社のホームページで物件情報を掲載していますが、多くの不動産会社と一般媒介契約を結べば、それだけ多くのホームページに物件情報が掲載されることになります。

シンプルですが、露出度を高めるには大変に効果的な方法です。

また、大手の不動産情報サイトにも仲介業者を経由して物件情報が掲載されます。

その際、時々同じ物件が重複して掲載されていることを不思議に思った人もいるかもしれません。

これは、同じ物件情報が異なる仲介業者を通して掲載されることから起きる現象です。

やや裏技のような形になりますが、同じ物件情報が何件も掲載されるため、かなり目立ちます。

該当物件を探している人はまず見落とすことがないため、効果的な方法といえます。

「時間がかかってもよいので、高く売りたい」という人にも一般媒介契約は向いています。

一定期間物件が売れない場合、不動産仲介業者は売り出し価格を下げてはどうかという提案をしてきます。

しかし、一般媒介契約は他社の存在もあるため、値下げを強く言いづらいという雰囲気があります。

「高く売ります」という仲介業者と「値下げしましょう」という仲介業者がいる場合、当然前者の方が頼もしく写るからです。

むやみに値下げを勧める行為は、査定そのものが間違っていたことを認めるということにもなります。

「売り急いではいないが、条件が良ければ売却してもよい」というスタンスであれば、一般媒介契約を選ぶのがよいでしょう。