「不動産投資を始めたいけど、自己資金が少ない」、「不動産投資に興味はあるけど、いきなり大金で始めるのは不安」という方も多いのではないでしょうか?
不動産投資はお金に余裕のある人がやるものというイメージが強いのですが、実は少額から始めることができます。
本記事では、不動産投資を少額で始めることができる方法を5つ紹介していきます。
自分にあった投資方法を探し、少額から不動産投資を始めてみましょう。
■まとめ
不動産投資を少額で行う方法は、大きく分けて2通りあります。
「信託系商品」で行う場合、と「実物不動産」にて行う場合です。
どちらの方法で投資を始めるかによって、どれほど少額で始めることができるかが異なります。
ここでは、この二つの方法について比較しながら紹介していきます。
こちらの方法は信託系と言う不動産を株のように扱うことで、より資金を低く設定した状態でスタートできるものになります。
詳しくは下ページで紹介していますが、REITやクラウドファンディングなど、1万円の予算から不動産投資を始めることが可能なものが多いです。
仕組み的には大勢の人が1つの物件に対してお金を出し合い、取り分を分け合うというものなので、結果的に少額で不動産投資を行うことができます。
もし、1万円程度の少額で不動産投資を始めたいと考えているのであればこちらが最適でしょう。
こちらの「実物不動産」は一般的に高いと思われているもので、一棟マンションや区分マンション、アパートなどを所有する方法です。
これら1棟の相場としては、立地にもよりますが都内だと5,000万円を超えてきます。
区分アパートや中古マンションであれば、1000万円を下回ることもあるのですが、基本的には高額なものが多いです。
ですので、1000万円以上持っていないと中々投資をしづらいとも言えるでしょう。
しかし、小口投資を行えば100万円程度の少額から始めることもできます。
本記事では、小口投資を始め、できる限り安く実物不動産を持つ方法を解説しています。
「信託系商品」によって不動産投資を始める方法を2つ紹介します。
それぞれのメリットとデメリットをしっかり押さえて、どれが自分に合っているのか見てみましょう。
REITとは不動産投資を投資信託という形式で行っている金融商品を指します。
REITにお金を出資することで、不動産投資法人が複数の土地や建物を購入し,それで得た利益を分配金としてもらうという仕組みです。
実際に、不動産物件を購入しようとすると数千万円~数億円程度の資金が必要になります。
一方で、REITであれば10万円程度の少額から購入することができますし、さらに証券市場でいつでも自由に売買することができます。
一般的な不動産投資とは異なり、取引の度に売り手や買い手を探す必要はないのです。
REITは投資家の他にも金融機関などからも融資を受けて、不動産投資を行なっているのが特徴的です。
現在、REITの平均的な利回りはおよそ4%です。
ここでは、例えばREITに一口10万円で投資をした場合の利益を考えてみます。
100,000 × 0.04 = 4,000 [円]
つまり、1年で4,000円の収益がある計算になります。
少額から投資することもできますが、その分収益もそこまで大きくないということも知っておきましょう。
REITのメリットは以下の3つです。
REITはリスク分散をして複数の不動産に投資することが可能です。
自分で運用をするのに比べるとリスクが低いにも関わらず、株式のように売買することもできるので、途中で現金に戻すことも直接投資した場合に比べて簡単と言えます。
つまり、失敗しそうだと思った場合、すぐに撤退もできるわけです。
そしてREITの特徴として専門家が運用してくれる点が挙げられます。
素人とは違って、市場の動向などを分析したうえで対象を選択するため、たとえ知識を持っていなかったとしても、お金を出すだけで配当金がもらえるので不動産投資初心者にはおすすめです。
REITのデメリットとしては破綻のリスクがあるということです。
日本でも実際に破綻したケースがあるので、銘柄を選ぶ際は実績を加味して慎重に判断しましょう。
それでも、将来的な環境の変化を予測することは難しく、安定していたところがいきなり破綻するといったケースもあり得ます。
破綻しても損害を最小限にするためにも、投資先を分担することが大切です。
✔︎REITに出資することで、事業運営者が複数の物件に投資してくれ、利益が出たらその配当金をもらうことができる
✔︎損失を抑えるためにリスクを分散して投資することが重要
クラウドファンディングとはインターネットで出資を募る起案者に共感できたら、投資をするという投資方法です。
こちらの方法は、1万円程度の少額から始めることができます。
クラウドファンディングでは、プロジェクトが成功することで、出資者は配当金をもらうことができます。
特徴としては、投資する前にどれくらいの利回りが期待できるのか、各業者のファンド詳細ページに記載されているという点が挙げられます。
ただし、そこに記載されている利回りはあくまで想定なので、下回ることももちろんあります。
例えば、2億円の物件を利回り10%で運用するクラウドファンディングがあるとします。
このクラウドファンディングに1万円投資したときの利益は、
10,000 × 0.10 = 1,000 [円]
ということになります。
大きな額を稼ぐことはできませんが、初心者の方は実際に投資に成功するという経験を持つことが大切です。
このような少額の投資を行うことで、不動産投資に慣れていきましょう。
クラウドファンディングのメリットは前述したように、利回りが5〜10%と比較的高いことです。
また、REITと共通していることですが、運用はプロに任せることができて手間がかからない上に、自由なタイミングで解約することができます。
ですので、運用面での心配があればすぐに解約して、リスク回避することができます。
クラウドファンディングのデメリットは前述したように、一つの物件を投資対象とするため、その分、リスクは分散することができません。
ですので、リスク分散するということに関しては、REITの方が優れていると言えます。
また、クラウドファンディングは投資をする前に利回りを提示されますが、それを上回ることは少ないと言われています。
ですので、提示されている利回りよりも低めになることがあるということを常に頭に入れておきましょう。
✔︎クラウドファンディングはREITと比べてリスクは高いものの、REITよりも高い利回りを期待できえる
✔︎想定利回りを見ることができるので、会社選びが重要になる
ここでは実物不動産の中でも比較的少額で不動産投資を行う方法を3つ紹介します。
不動産小口化商品とは、高額な不動産を小口化することで所有しやすくする仕組みのことです。
一つの不動産を複数の投資家が購入し、プロの管理会社が管理をして、得られた利益を分配する形になります。
不動産小口化商品の特徴として、出資をする投資家が自ら事業を行う任意組合方式というのがあります。
その場合、不動産の所有権を持つことができて、不動産に対する権限が大きくなります。
また、もう一つの方式である、匿名組合方式の場合だと、資者は運営を営業車に任せて、利益が出たらその配当をもらいます。
不動産小口化商品はREITと似ていますが、実物不動産を持つことができるという点で異なっています。
実際の小口化商品には1口100万円で予定利回りが3%のものなどがあります。
実際に、経営を行うこともあるので少額で不動産投資をしたいけど、実際に経営もしてみたいという方におすすめです。
不動産小口化商品のメリットとして、魅力的な物件が多いということが挙げられます。
不動産小口化商品で運用対象になる物件は通常、億単位かそれ以上の物件となっています。
価格が高いゆえに投資対象にならなかった物件でも運用することができるようになります。
また、所有権を得て、現金資産を賃貸用の不動産に組み替えることで、節税対策になることもあります。
不動産小口化商品のデメリットとして、一般の不動産流通市場に比べて不動産小口化商品された物件が少ないのが特徴です。
それに伴って、物件数も投資家の数も少ないため、自分が売りたいときに売れないという可能性もあるわけです。
また、任意組合方式の場合、物件を所有できる代わりに、登記が必要になります。
その手間とコストがかかることはデメリットと言えるでしょう。
ここまでは、後の2つに比べ、比較的少額で始めることのできます。
不動産投資初心者におすすめするのはここまでの3つの方法です。
ここでは、3つの方法をわかりやすく表にして、比較しているので不動産投資の参考にしてください。
利回り | 最小投資額 | 投資物件 | |
---|---|---|---|
REIT | 約4% | 10万円 | 複数 |
クラウドファンディング | 約5%~10% | 1万円 | 1件のみ |
不動産小口化商品 | 約4% | 100万円 | 1件のみ |
REITは他の2つに比べて、複数の物件を投資対象にしているので、1つの物件だけに投資するよりも、リスク分散ができます。
クラウドファンディングは1つの物件を購入することを目的として出資金を募るので、リスクはREITに比べて高くなりますが、その分高利回りが見込めます。
✔︎不動産小口化商品の投資法は営業者の承諾が必要なので、REITのより手間がかかる
✔︎比較的物件が多いので、自分達にあった物件を選ぶことが重要である
ここからは個人で不動産を所有する投資のうち、比較的安く始められる方法を紹介します。
まず、自己資金を少額で始める方法として、ローンを組むということが挙げられます。
ローンを組むことで、少額の自己資金だけで、不動産投資を始めることができます。
ローンを組む際には物件にもよりますが、最低でも300万円が必要であると言われています。
ローンを組めるかどうかは年収の高さも大きく影響しますので、しっかりと基準を満たしているか確認しましょう。
ローンを組むことで、少額で不動産投資を始めることができますが、返済は大変なものになることが多いです。
例えば、借入金額が7000万円で、返済期間が30年、固定金利が3%の場合、月々の返済金額は295,123円になり、最終的な返済金額は1億624万円になります。
ローンを組むことで、始めるときは確かに少額になりますが、結果的にかかる金額は高くなってしまうので、返済の見通しを考えて組むことが大切です。
下記のコラムではローンについて紹介しているので、合わせてご覧ください。
不動産物件を購入する際、ローンを組むメリットは、レバレッジ投資ができることです。
レバレッジ投資とは「梃子(テコ)」を意味する言葉で、少ないお金で大きな取引を行うことを「レバレッジをかける」と言います。
自己資金が少なくても、ローンを組んでしまえば、少ない自己資金で高い金額の不動産を購入して、運用することができます。
また、ローンの返済に関しても、入居者さえ入っていれば購入した物件から得られる賃料収入が入ってくるので、安定的に返済できるでしょう。
ローンを組むデメリットとしては、自己資金があまりにも少ないと、融資を受けられる金融機関が限られてしまい、融資の金利が高くなる可能性があります。
借入金額、年数、金利などから返済のプランを逆算して、本当にローンを組むべきか考えるといいでしょう。
また、入居率が低いとローンを組む際のリスクとなるので入居率の高い不動産投資会社に連携するなどして、対策しましょう。
最後に紹介するのは、少額で買える不動産物件についてです。
以下の物件だと、比較的少額で不動産投資を始めることができます。
区分マンションはマンション一棟のうちの1つ区間のことを言い、1000万円以下で購入できるケースもあります。
区分マンションの特徴として、マンション自体の管理は管理会社が行うケースが多いので、長期修繕計画などで、突然出費するリスクが低いです。
しかし、1室だけの所有だと、空室になった場合の損失が大きいというのも特徴です。
中古一戸建ての値段は新築よりも2割から5程度ほど安くなると言われています。
また、中古のマンションも古ければ古くなるほど、価値が下がり価格が安くなります。
このような中古物件は購入価格が低いので、利回りが高いです。
しかしながら中古マンションは、その分、破損などによる修繕費がかかることが予想されます。
ですので、あまりにも古い物件は修繕費についても考慮して、購入すると良いでしょう。
競売物件とは、借金などで担保になった不動産を裁判所が競売方式で販売する物件のことです。
競売物件は一般の物件と比べて、3割程度安く購入できると言われています。
それは、競売物件を購入した後にかかる諸費用を払わなくていいからです。
しかしながら、競売物件を購入する際に物件を内覧することができない場合があります。
その場合、裁判所が作成する、物件明細書、現況調査報告書、評価書をもとに購入するか決断しなくてはいけません。
✔︎少額でローンを組む際、自己資金が少なすぎると金融機関が限られてしまう
✔︎中古物件を購入する際、あまりにも古すぎると修繕費がとても高くなることがある
✔︎競売物件は担保になった不動産を裁判所を通し競売で購入できる
ここまで、不動産投資を少額で始める方法について5つの方法を紹介しました。
ここからは不動産投資を少額で始めるべきかを迷っている人に向けて全体的なメリット・デメリットを紹介していきます。
まずはメリットについて以下の3つを挙げます。
不動産投資は、本来、マンションやアパートなどの物件を購入し、それを経営することで利益を生むものなので、大きな初期費用がかかります。
しかし、少額投資では、少ない資金でも不動産投資を始めることができるので、初心者にとてもおすすめできるものになっています。
また、それぞれの予算に柔軟に対応できるので、まとまった資金を用意する必要がなく、非常に手を出しやすいものです。
不動産投資は、初期費用が大きくかかる一方、収益がどこまで出るかを予測するのは非常に難しくなっています。
そのため、場合によっては大きな損失を生んでしまう可能性があります。
それに対し、少額投資では、投資する金額を抑えることができたり、投資を分散して行えたりといったことが可能なので、損失を最小限に抑えることができます。
また、場合によっては少額でハイリターンを得ることができるのも魅力です。
不動産投資を行うことのメリットとしてあげられるもののうち、魅力的なのは節税効果です。
これは、少額投資にも当てはまります。
不動産投資の場合は、減価償却費や管理費などの不動産の運用にかかる費用は経費として控除することが可能です。
経費を計上することによって所得税を節税することができるのです。
ここからはデメリットを3つ紹介していきます。少額不動産投資は、どの物件にも用意されている訳ではありません。
そのため、扱っている物件が個人で購入する時よりも少なくなっています。
物件数が少ないと、自分にあった物件を見つけられる可能性も低くなります。
不動産投資では、立地がかなり重要な要素になってくるので、物件に対して妥協することはおすすめしません。
少額投資できる物件のほとんどは中古物件になっています。
そのため、中古特有のデメリットが出てきてしまうことがあります。
これは、信託系商品では関係ないのですが、自分で物件を持つ場合、修繕費がかさんだり、家賃を予定よりも安くしなければならなかったりなど予期しない出費があります。
少額というだけに釣られることが無いように、物件を事前に精査していることが大切です。
信託系商品では、手数料が高い場合があります。
自分で物件を所有する場合には発生しない費用なので、このような費用までもしっかり考慮して利益を計算する必要があります。
また、解約するのにも手数料がかかったり、そもそも途中解約ができないものもあるので、予め調べてから投資を行うようにしましょう。
不動産投資を始める際に考えなければならないのがリスクです。
それは、少額の不動産投資であっても同様に存在します。
最初にリスクを把握して、運用に失敗しないような事前に対策を立て、損をぜずに済むように工夫すことも必要です。
例えば不動産投資で忘れてはいけないリスクの1つに、空き室問題があげられます。
物件を購入して賃貸経営を始めたとしても、思うように借り手が見つからない可能性もあり、家賃収入も得られなかったら、購入にかかった費用を取り戻すことができません。
空き室問題を防ぐためには、駅の近くや設備が整っているなど、付加価値のある物件を選びましょう。
継続的に借り手がいる状態を保つことで、高利回りが期待できます。
空き室問題のほかにも、不動産投資で注意しなければならないのが、家賃を滞納されることです。
特にローンを組んで物件を購入する場合には、家賃滞納問題が続くと返済が滞ってしまいます。
自分で管理するのが難しいと思ったら、不動産管理会社と連携しましょう。
中には、滞納金を保証してくれる会社もあります。
✔︎不動産の空室対策として、借り手が見つかりやすそうな場所を選ぶ
✔︎滞納問題を解決するときに有効なのは、不動産管理会社に頼むこと
✔︎不動産投資のリスクを把握して、事前に対策を立てる。
今回は、不動産投資を少額で始められる5つの方法を紹介して、不動産投資の注意点を解説しました。
不動産投資は他のFX投資や、金融商品などに比べて比較的安定的して稼げるのが特徴です。
少額で不動産投資を始められる方法は、いくつかありますが、どれもリスクはそれぞれあります。
リスクを最小限にして、長期的で安定的な投資を目指しましょう。
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