更新日 2019.10.13

注文住宅のこだわりキッチン|注意点・コストダウン方法

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-Smile編集部-
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注文住宅においてキッチンは重要な場所です。

朝や夕方には必ず誰かがいる場所になります。

またキッチンはこだわりの出る場所です。

デザイン、色もさることながら大きさ、性能を重視する人もいます。

そんなこだわりの強い場所だからこそ、いろいろな失敗例もあるものです。

これをつければよかった、あれを付けなければよかった、そんな書き込みが多いのもキッチンの特徴になります。

オプションはよく選んで追加したほうがよさそうです。

ここは注文住宅のキッチンの種類、失敗例からキッチンのコストダウンの方法の解説です。

これを読んで先輩方と同じ轍を踏まないようにしてください。

注文住宅でも大きなウェイトを占めるキッチン。

もしコストダウンが図ることができれば大きな金額になります。

コストダウンの方法も解説しています。

注文住宅のキッチンの種類

今回は価格別に30万円以下、50万円以下、50万円超の三段階に分けてみました。

しかし、値段はメーカーやグレードによって大きく異なります。

同じメーカーでもグレードによって価格差があるのです。

また、同じグレードであってもオプションを追加するとその分値上がりしていきます。

オプションの中には追加したほうがよいものも多くあるものです。

50万円を超えるキッチンは有名メーカーの最上級グレードが含まれます。

タイプも人気のアイランド型は50万円を超えるものがほとんどです。

天板は人造大理石、サイズも2400以上、機能も優秀なものが含まれています。

収納力も高く、各メーカーが技術の粋を集めて制作したシリーズ群です。

例えばリクシルの「リシェルSI」はワークトップがセラミックになっています。

セラミックなので火にかけて熱い鍋でもそのままワークトップに置くことが可能です。

この他にも汚れにくい素材が使われていたり、除菌水を生成できる機能がついていたりと至れり尽くせりの機能が多くついています。

これが50万円超のキッチンなのです。

30万円超50万円以下のキッチンには売れ筋の製品が多く含まれます。

各メーカーも力を入れており、激戦区のグレードです。

最上級グレードほどの高機能はないものの、普段の生活で必要な機能はほとんど搭載しています。

汚れにくいワークトップであったり、ゴミを処理しやすいシンクであったりと各メーカー特色を出そうと必死です。

また、デザインも重視しており、クリナップのラクエラは引き出しの表面パネルは40種類近くも選択することができます。

流行りの北欧風のキッチンにすることも夢ではありません。

30万円以下になると手を出しやすい価格帯となります。

値段に応じて最新の機能満載、とまでなりませんが、多くの機能がついているグレードです。

タカラスタンダードの「エーデル」シリーズはワークトップにホーローを採用し、汚れが目立たないつくりになっています。

お手頃なグレードではありますが、オプションを追加することによって上のグレードと遜色のないキッチンにすることも可能です。

機能を取捨選択して必要な機能だけをつけたい、という方にはこれくらいの価格帯にオプションを付けたほうが良いかもしれません。

POINT

✔50万円超は最上級グレードで高機能のキッチンが満載。新機能も多い。

✔50万円以下は売れ筋のグレード。人気機能や必要な機能が揃っている。

✔30万円以下は普及品のグレード。オプション追加でカスタマイズ可能。

よくある新築キッチンの失敗例5つ

新築時に張り切ってキッチンを作ったけれど、ここは失敗した、もう少しこうすればよかった、という意見や書き込みを目にします。

では彼らはどんなことを失敗したのでしょうか。

よくある新築キッチンの失敗例を5つ挙げてみました。

キッチンを予算の許す限り大きくすると、キッチンスペースが拡大してしまいます。

この結果、リビングやダイニングのスペースが犠牲になってしまうのです。

例えば典型的なI型キッチンは通常の新築住宅は2100から2600ほどのサイズになります。

これを欲張って3000にするとその分キッチンスペースは広がりますが、どこかの部分が狭くなるのです。

これをペニンシュラ型にしたり、アイランド型にしたりするとその分キッチンの占用スペースは広がっていきます。

スペースを取らないためにはI型の配置が無難です。

この他の配置は通路も含めて3畳程度のスペースが必要となります。

リビングやダイニングとの兼ね合いもありますが、適正な大きさがキッチンには必要です。

夫婦で家事をしたり、パーティーで何人かと使ったりするのでキッチンを大きく作った、という話を聞くことがあります。

家事を分担する、パーティーを開くことはとてもよいことです。

ただ、新築直後はともかく、それを何年も継続するでしょうか。

夫婦二人が気兼ねなくキッチンで動き回ろうとすると相当なスペースが必要です。

最低限でも4.5畳は要ります。

それだけのスペースが確保できるのであればキッチンを広くしてもよいでしょう。

二人以上でキッチンを使うことはそれほど回数があることではありません。

あまり複数人での使用を前提にキッチンを設計するのは考えものです。

これはアイランド型キッチンなどでの失敗例です。

キッチンが壁際に向かっていないレイアウトだと、キッチンの水しぶきやこぼした水がリビングやダイニングに飛び散ることがあります。

アイランド型は開放的で部屋の中心に向いてレイアウトされるもの。

意図しなくても水が飛んで行ってしまうことはあるものです。

水の飛散を防ぐ意味でもシンク上部から30センチ程度の壁やパネルは必要になります。

キッチンは鍋、食器から小物まで様々な品物があります。

収納力はキッチンで必須のものです。

この収納力が足らないとキッチンは雑然としたスペースになります。

戸棚を新たに購入したり、卓上に置きっぱなしにしたりとせっかくの新築住宅が残念なことに。

キッチンの道具類は増える一方でなかなか減るものではありません。

今の道具が少し増えても大丈夫なくらいの収納スペースがあるとよいでしょう。

その一方でスペースはあっても使いにくいのも考えものです。

まさに「過ぎたるは及ばざるがごとし」。

吊戸棚は使う人が届かない場所では意味がありません。

シンク下の収納も奥のほうに入れると取り出すのが大変です。

必要十分なスペースはなかなか難しいですが、余裕をもった収納計画を練りましょう。

キッチンは火を使うこともあるので夏は暑くなります。

オール電化であっても熱が発生するので同じことです。

また、キッチンは勝手口が併設されることが多く、勝手口や換気扇から夏の熱気や冬の冷気が吹き込んできます。

かつてに比べると住宅は断熱性や遮熱性が向上しました。

それでもキッチンは寒暖の差の大きい場所の一つです。

エアコンを設置する、エアコンの風が届くような配置にするなどの配慮が必要になります。

POINT

✔スペースを狭かったり、逆に広すぎたりして使いにくいこともある

✔収納力が不足したり、ものが入りにくかったりするので収納力に余裕を

✔キッチンは寒暖の差が激しいのでエアコンや通風の配慮が必要

キッチンの選び方のポイント

キッチンはグレード、オプション等各社豊富に揃えているので選ぶのも一苦労です。

ポイントも予算、使う人、配置等多岐にわたります。

キッチンの選び方のポイントをまとめてみました。

キッチンにどれくらいの予算を振り分けるかは大きな問題です。

50万円くらいで通常のシステムキッチンならば購入できます。

100万円あればかなりのグレードのキッチンが手に入るでしょう。

全体の予算との兼ね合い、キッチンに対するこだわり、どこに予算をかけるか。

人それぞれなので正解はありません。

100万円でも失敗の人もいるし、50万円でも満足な人はいるものです。

自分が満足、あるいは妥協できるポイントを探しましょう。

キッチンを主に誰が使うのかも想定しましょう。

一般的には奥さんが一番使うことが多いでしょう。

ただ、最近は家事を分担することも多くなっています。

男性と女性では身長が違うこともあるので、それによってワークトップの高さが変わってくるのです。

目安としては、身長÷2+5センチが標準的な高さになります。

主に使う人が160センチなら85センチ、170センチなら90センチくらいが一番使いやすい高さです。

I型キッチンでは注文住宅では2100ミリから2600ミリ程度の幅が一般的です。

幅があれば多くのスペースが生まれるのでいろいろなものを置くことができます。

一方、広くなると平行移動が増え、移動距離が長くなります。

夕食を作っただけでくたくたになる、といった現象も起こってしまうのです。

I型の他にもⅡ型、L字型、アイランド型などいくつかのタイプがあります。

どれも一長一短あるので慎重に検討すべきです。

あまりに大きなキッチンはデッドスペースが生まれやすくなり、効率が落ちます。

シンプルな形状が一番使いやすいようです。

配置とは、まずはシステムキッチン内のシンク、調理スペース、コンロの配置です。

一般的には先ほどの順番での配置が多く見られます。

2700ミリを超えるような大きなキッチンは調理スペース部分が大きかったり、二か所にあったりと工夫がされているのです。

ここで注意点があります。

それはコンロの位置です。

使いやすさも重要ですが、コンロは客家の可能性もあります。

避難を考えた場所にしないと万一のとき避難ができなくなる可能性があります。

この他には包丁の収納場所は調理スペース周辺がよい、よく使う食器も調理スペースに近いほうがよいといった配置に関する原則がいくつかあるものです。

 ワークトップはステンレス、人工大理石、セラミックなどが主流で順に高くなっていきます。

それぞれ特性がありますし、同じステンレスでもエンボス加工してあれば高い、人工大理石も種類とグレードがあるなど同じ材料でも値段が変わってきます。

また、引き出しの色も重要です。

毎日見るものなので飽きの来ない色がおすすめです。

あまり奇抜な色合いや他の部屋と大きく異なると浮いてしまいます。

POINT

✔まずは予算をチェック。こだわりや全体予算で正解は変わってくる

✔誰が使うかを想定しよう。ワークトップの高さで使いやすさが変わってくる

✔ワークトップで予算も変わり、色の選定で普段の印象も変わる

注文住宅でキッチンの費用を抑えるための方法

理想のキッチンを追い求めることはよいことです。

ただ、その分値段もどんどん高くなってしまいます。

キッチンにかけられる費用も無制限ではありません。

では注文住宅でキッチンの費用を抑えるためにはどのような方法があるでしょうか。

ほんの少しの手間で大きくコストを抑えることもできます。

パナソニック、リクシル、クリナップといったメーカーがそれぞれのブランドを販売しています。

これらはとても機能的なものの、お値段はそれなりしてしまいます。

ここは思い切ってノンブランドにしてみましょう。

建築士に相談すれば、システムキッチンや造作を専門に作っている業者を教えてくれます。

機能は有名メーカーと同じで値段は安い理想的なキッチンを手に入れることも可能です。

オプションを追加していけば値段はそれにつれて上昇していきます。

オプションの選定を惰性でやってしまうと不要なものまで追加してしまうものです。

オプションは最小限にとどめましょう。

オプションに優先順位をつけ、どうしても必要なものだけ追加するようにしましょう。

この際、こだわりでどうしても欲しいものは我慢せずにつけましょう。

公開せずに必要なオプションを追加することが理想です。

同じ機能のものでも業者任せだと高くつく場合があります。

最近はネットで購入することだってできます。

ニトリやIKEAのものであれば設備メーカーと同等のものが安く購入も可能です。

もし見積書を見て高いけどどうしても欲しいものがあれば、ネットで検索してみましょう。

安く購入できるかもしれません。

購入したら、施主支給品として大工さんに取り付けてもらえばよいのです。

欲しいものが安く取り付けられるなら施主支給を積極的に活用しましょう。

各メーカーは多くの製品をラインナップしています。

モデルルームにあるようなキッチンは最上級品ですが、お値段もそれにつれて最上級です。

有名メーカーであれば、グレードダウンしても性能は大きく変わりません。

グレード自体を落として、足りないものはオプションで補えばトータルの性能は変わらなくなります。

自動車などは多くの人の目に触れるのでグレードが気になるものです。

ですが、キッチンのグレードやブランドはよほどの目利きであってもわかりません。

むしろ、上のグレードと同等性能を安く手に入れたほうがコストパフォーマンスはよくなるのです。

注文住宅の場合、サイズの関係で特注寸法になることがあります。

特注サイズは注文住宅ならではです。

ただ、こうした特注寸法や別注を使うと割高になってしまいます。

費用を考えると既製品サイズを有効に使ったほうが安くなるのです。

特注寸法は新築の際には文字通り特別な優越感がありますが、慣れてしまえば既製品サイズでもそれほど変わりません。

納まりの関係上、どうしても使う必要があるところをのぞいて特注寸法は慎重に採用すべきです。

POINT

✔コストカットのためにはダウングレードやブランド不使用が効果的

✔オプションは最低限とし極力追加しないのがコストカットへの道

✔特注寸法は割高なので必要があるところ以外採用は慎重に

まとめ

注文住宅をつくるうえでキッチンは大きなウェイトを占める場所といえます。

リビングやダイニングと並び、一家が集う場所だからです。

そんなキッチンですが、ネットには多くの失敗例があふれています。

これをつければよかった、あれを要らなかったといった公開や失敗が多く書き込まれているのです。

今回はキッチンの選び方からコストダウンの方法まで紹介しました。

キッチンはお金をかけようと思えばいくらでも掛けられます。

一方でコストダウンもしやすい場所です。

グレードダウンしても他人にはわかりにくいし、サイズダウンしても費用を下げることができます。

ここにある失敗例やコストダウンの方法を使ってよりよいキッチンを手に入れていただければと思います。