更新日 2022.7.27

不動産売却の流れとは?必要手続きや注意点を徹底解説

この記事を執筆した人
smileの画像
-Smile編集部-
Smileでは、不動産をテーマに不動産売買や不動産投資について情報発信をしています。

不動産とは民法86条1項によると、土地およびその定着物とされています。

個人で保有する場合には土地そのものであったり、戸建てあるいはマンション、アパートなどになるでしょう。

今回はその不動産売却にどのようなメリットやデメリットがあるのかをご紹介します。

さらにその売却に役立つおすすめサイトも取り上げますので、最後までご覧いただければと思います。

不動産売却とは

不動産売却とは、保有する土地や建物を別の個人、あるいは法人に譲渡することを意味します。

その際には買主と売買契約を結び、その買主から譲渡のための支払いを受けることになります。

そこでまずその不動産売却に関する基本的なことをご紹介します。

不動産売却とは他の個人あるいは法人に自分が保有(登記)している不動産を売買契約をもって譲渡することです。

保有する不動産は住宅であったり資産運用のための土地やマンション、アパートなどとなります。

不動産は所有権を持つ者の所有物となるので、売買契約を交わすことで所有権を売主から買主に移転します。

買主を探すためには通常、仲介業者である不動産会社に依頼し、売買契約もその仲介業者を通して行います。

これは十分な知識を持たない個人同士が行うことで、後で瑕疵などの問題が発生するリスクを回避するためです。

そして売買契約成立時には、不動産会社への仲介手数料が発生します。

不動産売却の目的は様々ですが、主なものをご紹介します。

保有する住宅から新しい住宅へと住み替える場合、保有する住宅を売却して新しい物件を購入することになります。

その住み替えのために売却するのも、ひとつの理由です。

ローンの残債があれば、売却代金で全てを返済する必要があります。

また売却代金を新たな物件購入の資金に組み入れることも可能です。

通常マンションや一戸建ては住宅ローンを組み銀行などから融資を受ける形で購入します。

そのローン返済が経済的な理由などで困難となった場合に、不動産売却を行う必要があります。

というのも、ローン返済を滞納すると債権は銀行などの金融機関から保証会社へと移ります。

そして分割返済の権利を失い、一括返済を求められるからです。

これに応じなければ不動産は抵当権のもとに差し押さえられ、やがて競売にかけられ処分されます。

それを回避するためには、自身で売却しなければなりません。

不動産は住宅以外にも、投資用として購入することができます。

賃貸経営により家賃収入を得て、ローンの返済を行うわけです。

その投資資金を回収するための出口戦略のひとつが、不動産売却です。

通常は購入時よりも物件価格は下がりますが、それまでに支払ったローンの元本やローン返済で残った家賃収入などを手元に残す形で利益を得ます。

不動産売却は不動産会社に仲介を依頼しますが、その際には売却活動のための契約を結びます。

大まかにその契約形態は3つに分かれます。

これは住み替えなどの理由で不動産売却をすることです。

ローン返済が残っていれば、売却金額で残債を一括返済することになります。

もし残債が残れば、その支払いをすることで所有権を移転することができます。

ローン返済が滞り債権者である金融機関などから一括返済を求められた場合、任意売却を行います。

これは一般売却とは異なり、残債が残っても所有権を移転することができます。

その代わりに残債を分割返済する旨の契約を交わすことになります。

競売

ローン返済が滞り任意売却もできない場合、強制的に不動産は売却され残債の支払いに売却金額が充てられます。

それでも残債があれば、分割で支払う義務が残ります。

一般売却よりもかなり安い金額で処分されるのが通例です。

不動産売却は仲介業者と媒介契約を結んで売却活動を委任します。

媒介契約には複数の業者と契約できる一般媒介契約とひとつの業者しか委任できない専任媒介契約・専属専任媒介契約があります。

専任媒介契約は売主が買主を探すことも可能ですが、専属専任媒介契約はそれができません。

不動産売却を行うためには、まず仲介業者を決める必要があります。

そのためにはまず見積査定を依頼して、どの程度の金額で売却が見込めるのかを確認します。

通常は複数の業者に査定依頼をして、比較検討の上業者を決めます。

その後媒介契約を結んで売却活動を任せ、買主が見つかれば価格交渉を行い売買契約を交わします。

そして司法書士同席のもと、売却金額の受取と所有権移転を同時に行い、仲介業者などに手数料を支払って終了です。

不動産売却のメリット・デメリット 

それでは、不動産売却にはどのようなメリットとデメリットがあるのかをご紹介します。

不動産売却を行えば、現金が手に入ることがメリットと言えます。

例えばローンの返済が終わった不動産は資産として残ります。

その資産をそのまま残すよりも、売却してしまえばまとまった現金が手元に残ります。

これを老後の生活資金などに使うことも可能です。

高齢者となれば買い物も満足にできなくなりますし、自宅にそのまま住むのは不便という方もいます。

そこで不動産売却をして現金化すれば、老人ホームへの入居資金にしたり都市部の賃貸マンションを借りて住むことも可能というわけです。

不動産を保有していると、様々な維持費がかかります。

例えば毎年納める固定資産税や保険料などがありますし、築年数が古くなれば修繕費用もかさむものです。

そこで不動産売却をすることで、そのような出費が不要となります。

特に古い物件は設備の入れ替えやリフォーム費用も大きな負担です。

住宅ローンを組んで購入した不動産は、そのローン返済が負担になることがあります。

例えば事情により会社を退職したり病気になって収入が減ると、ローン返済は難しくなります。

あるいは変動金利でローンを組んでいる場合、金利が上昇すれば返済額も増加します。

そのような理由で返済が困難となった時、不動産売却を行えばローンの負担がなくなります。

賃貸運営を行う投資用として保有する不動産であれば、売却することで利益が出る場合があります。

アパートやマンションの場合、築年数の経過により建物分の価値は減少するため、購入時よりも売却金額が低くなるのが一般的です。

値上がり益を望むのは難しいものですが、それまでの運用収益などから最終的に手元に現金が残る場合もあります。

例えば土地や一戸建てなどを相続した場合、その相続税の納付には現金が必要になります。

そこで不動産売却をすることで支払いに充てることができます。

また自宅のローンが残っているような場合、その返済に相続した不動産の売却代金を充ててローンを完済することも可能です。

住み替えをする場合にも、不動産売却をすることでスムーズな住宅の買い替えが可能です。

住み替えは売却と購入のどちらを先に行うのか、あるいは同時に行うのかが課題になります。

先に売却しておけば、あせって安く売却することもなく損するリスクも少なくなります。

一方で不動産売却をすることで、どのようなデメリットがあるのかをみていきましょう。

一般的に同じようなグレードのマンションに住む場合、購入して支払うローン返済よりも賃料の方が高い傾向があります。

また住宅ローンを完済させれば毎月の支払いはなくなりますが、売却してしまうと生涯家賃を払い続けることになります。

投資用として不動産を保有している場合、維持費はかかるものの賃借人がついていれば毎月家賃収入が入ります。

けれどもその不動産を売却してしまうと、収益源を失うことになります。

さらに立地によっては不動産は将来、値上がりが期待できるケースもあります。

例えば都心の沿岸部での上層マンションは、短期での値上がりが注目されました。

けれども売却をしてしまうと、そのような機会を失うことになります。

もし海外の不動産を保有している場合には、築年数に関わらず資産価値が高まるケースは多いものです。

国によってはインフレによる資産価値上昇の可能性もあるので、その収益機会を失うことになります。

おすすめの不動産売却する場所

それでは不動産売却に役立つおすすめの不動産サイトをいくつかご紹介します。

査定に強いサイトやエージェントがいるサイトなど色々とあるので、参考にしていただければと思います。

「すまいValue」は小田急不動産・三井のリハウス・住友不動産・東急リバブル・三菱地所ハウスネット・野村不動産の大手不動産会社にまとめて査定を依頼できるポータルサイトです。

首都圏で過去に不動産売却をした人のうち、6割以上がこの6社のいずれかに依頼しているとのことで、やはり安心感があります。

6社合計で年間12万件を超える成約実績があることで、的確な査定金額の算出と豊富な売却ノウハウの提供が期待できます。

取り扱い物件も分譲マンションや一戸建て、アパートや土地から一棟マンションに一棟ビルなどに対応しています。

また6社それぞれに異なる強みがあるので、保有する不動産の特徴を考えて最適な不動産会社に売却依頼をすることもできるでしょう。

小田急不動産はその名の通り、新宿から小田原にかけての小田急線沿線に強みを持っています。

三井のリハウスは全国の主要都市に店舗を構えているので、首都圏以外のエリアにも強いのが特徴です。

東急リバブルは渋谷から横浜にかけての東急線沿線に強いのが特徴となります。

三菱地所ハウスネットは三菱地所系列のネットワークを生かした活動ができます。

そして野村不動産は、特に投資用の収益物件にも強みを持っています。

また査定依頼をした後に、実際に各社の支店や店舗で売却に関する相談をすることができるのも、このサイトの強みと言えます。

単に査定金額を出して終わるのではなく、実際に売却するために必要な情報なども提供してくれるので心強いでしょう。

とにかく大手に頼んで安心したいという方におすすめです。

HOME4UはIT部門を統括するNTTデータのネットワークを駆使することで、有利な売却ができるよう様々なノウハウを蓄積しているサイトです。

2001年のサービス開始から積み上げた膨大なデータを使うことで、全国の提携会社から対象物件に合う業者を選んで査定を依頼してくれます。

また買い替えや相続などに関する情報を得ることができたり、土地や不動産の活用に関する情報を得るためのサイトも備えています。

登録会社は全国で500社ほどと、他の一括サイトと比べると多くはありません。

けれどもエリア情報に詳しい地域密着型の不動産会社も多く登録しているので、より高く売却したい場合に役立ちます。

査定は机上査定と訪問査定のどちらかを選ぶことができます。

必要事項を入力すれば最大6社が提示されるので、あとは査定依頼をするだけとなります。

豊富なデータに裏打ちされたサービスを望む方におすすめです。

他の不動産サイトやポータルサイトとSRE不動産が異なるのは、エージェント制度によりあらゆる買主側の不動産会社に情報開示を行っている点です。

そのために最も条件の良い買主と売買契約を結ぶことが可能となります。

通常の仲介業者は売主と買主の両方から手数料を取るので、双方の妥協点で売買金額を決めることになります。

けれどもSRE不動産の場合には、徹底して売主にとって条件の良い形で買主を探すので、高値での売却が期待できます。

ただし現状では、東京・千葉・神奈川・埼玉の1都3県でのみ営業しているので、他のエリアでは利用することができません。

このエリアでより有利に不動産売却したい方におすすめです。

不動産査定ポータルサイトでは利用者数NO.1なのがイエウールです。

全国1600社の中から6社を選んで一括査定を無料で依頼できます。

運営開始は2014年と他のサイトと比べると最後発ですが、提携不動産会社数と累計利用者数はNO.1となっています。

提携会社が多いことで、依頼する不動産エリアに強い会社を探しやすくなります。

特に都市部から離れたエリアは不動産会社が少なく、大手もカバーしていないことが多いものです。

そのようなエリアでも地元で活動する不動産会社を探し、査定を依頼することができるというわけです。

また不動産会社によって取り扱いに強みをもつ不動産とそうではない不動産があります。

土地やアパートなど、自分が売却する不動産に強い会社を探せるのも、イエウールの強みと言えるでしょう。

さらに売主からクレームを寄せられた不動産会社は契約解除しているので、優良会社のみを紹介してい点でも安心です。

また取り扱う不動産も、分譲マンションやアパート、土地などから工場や店舗、農地なども対象としています。

査定は簡単に行える机上査定と、細かくより確実な金額を算出できる訪問査定とのどちらかを選ぶことができます。

机上査定であれば、必要事項を入力すればわずか60秒で結果が出ます。

周辺にあまり不動産の取引実績がないというようなエリアの方にもおすすめです。

LIFULL HOME'Sはこれまでの「HOME'S」が2017年にリニューアルした不動産ポータルサイトです。

売買や賃貸などあらゆるサービス提供を行う総合サイトとなります。

そのために単に不動産売却するだけでなく、その後の買い替えや住み替え、あるいは資産運用にも役立つサイトと言えるでしょう。

また不動産売却以外にも、インテリアや住まいなどに関する情報提供も行っています。

LIFULL HOME'Sが他の一括査定サイトと異なるのは、独自の参考価格算出システムを持っていることです。

つまり査定を依頼する前に、売却の目安となる目標価格を調べることができます。

また査定依頼をする不動産会社も、独自の基準により選別しているので、優良な業者にのみ頼むことができます。

取り扱い業者は全国で1600社ほどとなっています。

この中から、物件の種別や所在地の郵便番号などを入力すると、査定可能な業者リストが提示されます。

査定を依頼する前に、不動産会社に関する情報を調べることもできるので安心です。

じっくりと納得できる業者を選びたい方におすすめです。

不動産売却する注意点 

不動産売却には注意すべき点も多くあります。

査定依頼をする前に、一通り頭に入れておくと良いでしょう。

まず基本的なことですが、住宅ローンの残債が残っていると、売却での所有権移転はできません。

これは債権者である金融機関などが、残債の回収ができなくなった時の担保を失うからです。

もし売却代金で残債を全て支払えない場合には、足りない分を現金で用意する必要があります。

特にローンを滞納して代位弁済となり、債権者が金融機関から保証会社に移った場合には注意が必要です。

勝手に売却しても、債権者が抵当権を解除してくれないからです。

このような場合には必ず任意売却を申し出て、仲介業者を審査してもらう必要があります。

債権者が認めた業者でなければ、任意売却はできないということです。

一括査定を依頼して集まった情報をもとに、どの不動産会社に売却を頼むのかを決めます。

その際に、必ずしも査定金額で売れるわけではないことを心得ておきましょう。

これはあくまでも目安であって、実際にその金額で購入する買主が現れなければ売却はできません。

また時勢の移り変わりで相場金額も変動します。

最近同じような条件の物件が近くで売れたからといって、同じ金額で売却できるとは限りません。

また査定を行う不動産会社が高めに金額を提示する場合もあるので注意が必要です。

結局なかなか売れないので、大幅に金額を引き下げて売却するというケースもあります。

あまりにも他の業者との差がありすぎる査定金額には注意しましょう。

不動産売却活動を行うも、なかなか買主が見つからないという場合があります。

そのような時に不動産会社が買い取ってくれる場合もあります。

中には買取保証をつけて媒介契約を結ぶケースもあります。

これは契約期間の3か月以内に買主が見つからない場合、契約で定めた金額で買い取るというものです。

もちろん地域や物件の築年数によっては対応しない場合もあります。

けれどもこのような買取金額は、相場での売却金額よりもかなり安い金額になるので注意が必要です。

これは不動産会社が買い取った物件を、リノベーションなどを施して再販するためです。

その際の売り出し価格は周辺相場と変わらないので、工事費用の分だけ安く買い取ることになります。

そのため、他の不動産会社に依頼して売却した方が高い金額で手放せることもあります。

どうしても早急に売却したいのであればしかたありませんが、売却期間に余裕があるのなら、買取は慎重に検討した方が良いでしょう。

不動産売却には様々な諸費用も必要になります。

特に税金には注意が必要です。

不動産売却を仲介業者に依頼する場合、仲介手数料が必要になります。

その金額は売却金額の3%に6万円を加えた額に消費税を足した金額となります。

そしてその支払い時期ですが、仲介手数料は成果報酬なので売買契約が成立した時点での支払いが原則となります。

けれどもその時点で売却金額がすぐに振り込まれるわけではありません。

つまり仲介手数料を支払うだけの現金を持っていないケースもあるということです。

そこで大抵は売買契約締結時に半額、そして代金振り込み時に残りの半額を支払うというケースが多いようです。

もちろん事情によっては全額を代金振り込み時にしてもらうことも可能です。

不動産売却をする時に特に注意が必要なのは、この譲渡所得税です。

自分で申告する必要があるので忘れてしまう人や、中には申告しない人もいるでしょう。

けれども税金は必ず納めなければならないものなので、後々面倒なことにならないよう必ず申告をしておきましょう。

譲渡所得税とは簡単に言えば、購入金額よりも売却金額の方が高い場合に発生する税金です。

具体的には次の計算式で算出します。

  • 税額=課税譲渡所得×税率(所得税・住民税)
  • 課税譲渡所得=譲渡所得ー特別控除
  • 譲渡所得=譲渡収入金額ー(取得費+譲渡費用)

譲渡費用とは、不動産売却のために要した費用のことです。

不動産会社に支払う仲介手数料もここに含まれます。

そして注意が必要なのは取得費です。

これは単純に購入金額のことではなく、購入金額と取得に要した費用から建物の減価償却費を引いたもの、あるいは譲渡収入金額×5%の大きい方を適用します。

購入費用も分からないくらい古い物件は、後者で算出することになります。

そして中古物件を購入して投資用に運用していた場合、減価償却費は短期間で償却されるので金額が大きくなります。

登記代とも呼ばれ、その名の通り不動産を登記(所有することを証明するもの)するために必要な費用なので、原則として買主が負担する税金です。

けれども登録免許税法の規定では、買主と売主が連帯して納付することとしています。

けれども実際は買主が100%負担するが慣例なので売主が負担することはありません。

抵当権抹消のための費用で、司法書士への報酬として支払います。

売買契約書に貼るために必要です。

契約金額により税額は決まっています。

土地を売却する場合には、その面積や境界線を明確にして権利関係を定めるための測量も必要になるケースがあります。

土地の情報を記録した登記後謄本が古く、現況と異なる場合には費用を支払って測量しなければなりません。

その費用は測量会社によってまちまちですが、官民査定の有無や立会証明書の有無によって料金は変わります。

まとめ

不動産売却を検討する前に知っておきたいことが多くあることをご理解いただけたかと思います。

不動産売却すべきかどうか迷う時は、メリットとデメリットを考えて利益となる方を選ぶと良いでしょう。

また売却の仲介を依頼する不動産会社選びが非常に重要です。

様々なサイトを利用できるので、自分の保有する不動産に適した会社が選べるサイトを利用すると良いでしょう。