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更新日 2020.2.28

【相続初心者でもわかる】路線価(路線価図)の見方と算出方法をご紹介

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-Smile編集部-
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路線価とは

不動産

路線価は路線(道路)に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価格のことです。

毎年8月頃に国税庁から公表されます。

一般的には、単に路線価という場合は「相続税路線価」を指します。

相続税の計算をするときに用いられます。

また固定資産税路線価という指標も有り、固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税の基になります。

土地の時価には4種類あり、そのうちの一つが路線価(相続税路線価)です。

1路線価

→毎年8月頃に国税庁から公表される、道路に面している土地の評価額です。

相続税の計算の際に必要となります。

公示価格の8割が目安となります。

2実勢価格(取引価格)

→過去に実際の不動産売買で売却された土地の売却額です。

国土交通省の「土地総合情報システム」から、近隣の土地の実勢価格の情報を入手できるため、土地の価格の相場を知る際に参考になります。

3公示価格

→毎年3月末に国土交通省から公表される現在の標準地の価格です。

取引価格を決める際に必要となります。

4固定資産税評価額

→市町村が固定資産税を課税したときの時価です。

公示価格の7割が目安となります。

路線価と実勢価格の関係

不動産

路線価は決して実勢価格そのものではありません。

しかし、路線価と実勢価格との間には全く何の関係もないわけでもありません。

両者には関係があります。

具体的にどのような関係があるのか説明していきましょう。

路線価とは、主として相続税を算出するための基本となる土地の価格のことです。

相続税は、その土地の価格に一定の税率を掛け算して算出されます。

税率のほうはルールがあってそのルールどおりに当てはめるだけですが、問題は価格です。

土地の価格とは一体どのようにして決まるのでしょうか。

また、知ることができるのでしょうか。

一つはもちろん言うまでもなくその土地を売買したときの値段です。

その値段が即ちその土地の価格であることを否定する人は誰もいないでしょう。

しかし、これが唯一決まる土地の価格だとすると、いろいろと不都合が生じることもまた事実です。

例えば、長年売買されていない土地はどうなるのでしょうか。

あるいは、たとえ売買された実績があったとしても、その価格は売買をした人だけしか知らないとしても全く不思議はないでしょう。

別に、八百屋でキャベツを売っているのとは話が違うのです。

最終的な取引価格を他の人に知らせないといけないという法はありません。

というか、その意味でいえば、八百屋のキャベツであっても価格交渉によりまけてもらうことは全く可能ですし、その場合に最終的にいくらで買ったのかを他の人に知らせないといけない決まりなどありません。

土地のように高額で、しかもその土地ごとに特徴が異なるようなものならばなおのことです。

また、実勢価格をもとにすると、上のようになかなか元になる情報が得られにくい事例が生じるということのほかにも、場合によって乱高下することになりかねないという懸念もあります。

当事者どうしが合意すれば実勢価格になってしまうのですから、場合によっては、例えば隣り合わせで広さも利便性もほとんど同じという二つの土地が大きく異なる価格で取引されてしまうこともあるかもしれません。

あるいは、場所的な要素だけでなく時間的な要素も考えられます。

ある月と次の月では大きく違う価格で取引されることがあるかもしれません。

このように、実勢価格を元にすることにはいろいろな意味で無理があります。

そのために路線価というものが別に定められ、基準となるべき土地の価格が分からないとか、場所的な意味あるいは時間的な意味で極端な変動が生じて国民に混乱を生じたりすることがないように、その価格を基準にして相続税などが算出される規則になっているのです。

そして、路線価とは、公示地価の8割を目安にすることが決められています。

では、この8割という数字が両者の関係ということだと思われるかもしれませんが、これは完全な間違いではないものの、全く正確でもありません。

よく読んでみてください。

実勢価格の8割とは書いていません。

公示地価の8割です。

しかも目安であり、ちょうど8割と決められているわけでもありません。

公示地価とは何かということになるわけですが、これは、土地取引の参考になる価格として国土交通省が公表している土地の価格です。

土地取引の参考になる価格ということで、それはつまり国としてその土地の真っ当な値段と考えているのはこれだけですと言っていると考えてさほど大きな間違いはありません。

ですから、公示地価は決して実勢価格とイコールではありませんが、現実の不動産取引においては公示地価が強く参考にされることが多いです。

もちろん、土地は同じものは二つとなく、その土地がどうしても欲しいと思う人がいれば公示地価よりも高い価格で取引されることもあるでしょうし、逆にすぐにでも手放して現金が手元に必要だという人がいればそれよりも安い価格で取引されることもあるのは当然です。

ですが、そのようないわゆる売り手優位、買い手優位の状況のない、両者イーブンの関係であれば基本的にはこれくらいの価格が妥当だと国が言っている価格なのですから、それに束縛される義務はないものの、そこから大きく外れると結局は当事者のうちの一方の納得感はなかなか得られず、取引が成立しない可能性が高まるでしょう。

つまり、強制力は全くないことを断ったうえで、公示地価はほぼ実勢価格だと考えても間違いはありません。

つまり、路線価と実勢価格の関係としては、間に公示地価という別の指標を挟んではいるものの、実勢価格の8割が目安になっていると言えるでしょう。

どうして10割ではなく8割なのかというのは難しいポイントですが、やはり土地の価格というのはある程度変動があるので、たまたま路線価の決定時点で高い価格になってしまったことで重税感を与えてしまうのを避けるという意味が強いかもしれません。

相続の場合は納税額も大きくなるからです。

路線価を知るには路線価図が必要

不動産

不動産の税金は路線価によって算出されます。

路線価は国が定める不動産の評価格で現実に売買される価格とは異なりますが、固定資産税や相続の際の根拠となりますし毎年更新されて公開されるものです。

路線価図は1平米あたりの土地評価額が記載された地図のことです。

国税庁が毎年発表しているもので、この地図をもとに新聞でも掲載されています。

基本的には路線とあるように道路に対して設定されるもので、その道路に沿った価格として算出されるものです。

傾向としては表通りは価格が高くなる傾向にありますが、さまざまな要素をもとに価格が決定されています。

路線価図は一見するとインターネットでは地図として公開されており、基本的には更新された地図のみ公表されるため過去6年分が公開されているもので、このため最新版では調べたい地域の地図が公開されていないこともあるので、その場合には過去の地図を調べる必要があります。

全国津々浦々まで公開されていますが、チェックポイントは公開された年数です。

すべて番号が割り振られており、平成表記とページ数が地図の右上に書かれています。

例えば「29 15010」は平成29年15010ページになるものです。

また一般の地図には見慣れないマークが書かれていますが、これはその都市に関する情報を表しています。

地区の情報は「ビル街地区」「高度商業地区」「繁華街地区」「普通商業、併用住宅地区」「中小工業地区」「大工業地区」「普通住宅地区」に分類されていますし、さらにアルファベットも表示されていますが、これは借地権割合を示しておりAからGまであり、それぞれAが90%で10%ずつ減っていき最小はGの30%を表すものです。

これらの分類は税金の種類に関与してくるものになります。

一方で具体的な価格はマークの中身に書かれている数字で、1,000円単位で表示されており、このためマーク内に19,520と書かれていれば、1,9520,000円が路線価という意味になるものです。

路線価の見方は簡単にできており、調べたい場所の価格さえ分かれば土地の課税対象となる評価額を知ることができます。

例えば路線価が20万円で借地権割合が70%である場合で、奥行き35メートルのある700平米の土地で普通商業、併用住宅地区の場合は、自用地の場合には200,000万円×0.98=196,000円が1平米あたりの価格です。

700平米の場合にはそれに700を掛けるため最終的な自用地での価格は137,200,000円になります。

一方で、借地権の価格は自用地の算出した金額に対して借地権割合を掛けることで知ることができ、70%の場合には96,040,000円です。

なお、奥行距離に応じて奥行価格補正率というものがあり、奥行きに応じて補正されます。

これらの計算はひとつの道路に面している場合で、複数の道路に面している場合でそれぞれに設定されている価格が異なる場合には計算がやや複雑になるものです。

700平米の土地でも正面が20メートル、奥行き35メートルとした場合に正面の道路が20万円で、もうひとつの道路が10万円とした場合には奥行き距離35メートルに応じる奥行き価格補正率で算出されます。

この場合には200,000円×0.98で196,000円で、さらに側道の1平米あたりの価格が10万円である場合には1.00と0.08を掛けそれを合算した数字が1平米あたりの価格となり204,000円です。

あとはひとつの道路と一緒で、204,000円×700=142,800,000円が自用地の価格となり、この価格に借地権割合を掛けた価格が借地権の価格になります。

一見複雑ですが、路線価格と土地の広さが分かれば簡単にその価格を知ることができます。

インターネットの接続できる環境であれば国税庁が公開しているので簡単に閲覧することができます。

公開されている資料としては財産評価基準書にあり、過去6年分のものまで閲覧することが可能です。

日本地図に都道府県が書かれており、知りたい都道府県を選択すると、多数の税金を算出するための資料があります。

路線価図を選ぶと自治体名あり、目的の自治体を選ぶと地名が表示され、地名にはページ番号が記載されているのでそれを選ぶと地図が表示されるものです。

地図からは隣接する自治体の地図を選ぶことができます。

地図の見方についても説明されているので、はじめての人でも見方を見ながら調べることが可能です。

路線価図を自宅以外で見る方法としては国税局や税務署で閲覧を希望すれば見ることができますし、印刷も可能です。

また新聞でも公開されているので新聞を通じて知ることも出来ます。

路線価図の見方

不動産

インターネットの接続できる環境であれば国税庁が公開しているので簡単に閲覧することができます。

国税庁 路線価図・評価倍率表

公開されている資料としては財産評価基準書にあり、過去6年分のものまで閲覧することが可能です。

また、国税局や税務署、新聞などで知ることも可能です。

地域によっては路線価図のページに記載されてない場合があります。

その場合、倍率方式で計算することになるので、その市区町村の「評価倍率表」をご覧ください。

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これは国税庁が出している平成30年度の東京都江戸川区の路線図です。

この路線図の見方について解説していきます

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路線図の右上にある2つの数字について説明します。

上の「30」は平成30年という意味で下の「53060」はページ数を意味します。

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この記号は地区および地区と借地権割合の適用範囲を示す記号です。

地主は借り手に借地を貸しますが、地主と借り手の両方がその借地に対して権利を持ちます。

借地権割合とは、借地に、借り手が持っている権利の割合のことです。

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各路線価の右隣に示しているA~Gの記号に対応する借地権割合を示します。

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出典:国税庁 路線価図・評価倍率表一部加工して作成)

200は1㎡あたりの価格を千円単位で表示しています。

この場合は1㎡当たりの路線価が200,000円となります。

Dは借地権割合が60%であることを示しています。

路線価方式による土地の評価額の計算方法

不動産

土地の相続税評価額は基本的に

土地の評価額=路線価×奥行価格補正率×面積

となります。

奥行価格補正率とはその宅地にどのくらいの奥行があるかに応じて、定められる補正率のことです。

奥行が極端に短かったり、長かったりすると利用しにくい可能性があるので奥行価格補正率が強くかかり、結果的に評価額が低くなる仕組みになっています。

補正率は0.8から1.0の間くらいになっていることが多く、自用地評価額に大きな影響を与えることもあります。

POINT

✔奥行が極端に短かったり、長かったりすると評価額は低くなる

土地の利用状況による違い

不動産

自用地とははいわゆる自らが所有する土地です。

自用地の場合の算出方法は

評価額=路線価×奥行価格補正率×面積

となります。

借地権とは「第三者の土地を借りて、自分の家を建てることができる権利」です。

その権利を持つ人から土地を相続する場合

評価額=その土地の評価額×借地権割合

となります。

借地になっている土地には、借り手と地主が権利を保持しています。

権利を持つのは地主だけだと考えている借り手は少なくありませんが、借り手はその土地に対して大きな権利を持っているのです。

その土地に、借り手が持っている権利の割合を借地権割合と言います。

借地人がその土地に3割の権利を持つとしたら、地主の持つのは7割となります。

その場合100万円の土地なら、借地人が30万円分の権利を持ち、地主は70万円分の権利を持つということになります。

地主だからと言って、決して100万円分の権利があるわけではないのです。

借地人の権利が9割で地主の権利が1割というケースもたくさんあります。

貸宅地とは宅地の持ち主が他の人に貸して賃料を得ている宅地のことです。

貸宅地の評価額は、自用地としての評価額から自用地としての評価額に借地権割合をかけたものを引いたものになります

評価額=自用地としての評価額-自用地としての評価額×借地権割合

となります。

ちなみに貸宅地はアパートやマンションなどのオーナーという立場で他人に賃貸住宅を提供している場合と異なります。

そのような場合にはその土地は貸家建付地とよばれ、貸宅地とは区別されています。

POINT

✔土地の利用状況によって評価額は変わる

✔借地権割合が重要

用途地区の種類を知ろう

不動産

路線価には様々な要素が影響を及ぼしていますが、その一つが都市計画法で定める用途地域です。

都市計画法において、地域地区の一つとして定められて、様々な法律で運用されています。

さらに、都市計画法においては定義だけがなされ、実際は建築基準法において細かな制限があります。

地域地区は国土全域に定められている訳ではなく、主に都市部において定められています。

都市計画法では用途地域を定めることにより、都市機能の効率化と環境保全を図っています。

住居系の地域には工場や店舗を建て難くしたり、工業専用地域では住宅の建築を禁止したりする措置が取られます。

このことにより、目的の異なった用途の建築を排除し、都市機能の円滑な運用が図られる訳です。

都市計画法では都道府県知事に都市計画区域の制定が任されています。

都市計画区域をさらに市街化区域と市街化調整区域に分けた場合は、市街化区域には用途地域を設定しなければならないことが定められ、実施されます。

地域地区の区分は都市部において定められ、活用されています。

用途地域は建築基準法において細かな規定が加味され、建築の場合の一定の制限がつくられています。

前面道路や土地の面積などの条件が一定の場合でも、地域が異なることで、建築できる建物が異なります。

このことは土地の価値に影響し、路線価も変わってきます。

路線価の見方では、地域地区の意味を知っておく必要があります。

土地の価値はその場所に建つ建築物と相関関係があるので、知っておくことが必要です。

その土地には建築基準法の対象となるので、建築に制限が加えられているかを知ることは、路線価の見方に決定的な意味を持ちます。

用途地域は建築基準法に定められていますが、実際は建築基準法において制限されます。

建築基準法では地域の違いに応じて、容積率や建平率、斜線制限や日影規制などの制限を定めています。

一般にこれらの規制は住居系の地域で厳しく、商業系や工業系では緩くなります。

地域の違いにより建築できる建物が異なり、土地の価値も異なってきます。

用途地域は住居系と商業系、工業系に分かれます。

住居系は第1種、第2種低層住居専用地域と第1種、第2種中高層住居専用地域、第1種、第2種住居地域と準住居地域があります。

商業系は近隣商業地域と商業地域に分かれ、工業系は準工業地域と工業地域及び工業専用地域に分かれます。

建築基準法においてはこれらの地域ごとに、様々な規制がかけられています。

用途地域が異なることにより、建てることのできる建築物の用途が異なります。

さらに、用途ごとの面積も規制されていることから、一定の用途と規模を持つ建築物が規制を受けます。

用途規制が最も厳しい第1種低層住居専用地域では、住居と兼用しない店舗の建築が制限されます。

大型店舗や工場も排除され、住居に適した環境が守られます。

近隣商業地域や準工業地域は多様な用途の建築ができる地域として知られています。

路線価に影響する用途地域の規制としては、面積に関するものがあります。

延べ床面積を敷地面積で除したものが容積率で、地域により異なった制限がかけられています。

一般に住居系よりも商業系や工業系で大きな面積の建物が建築できます。

建築面積を敷地面積で除したものが建平率で、建物の外殻の面積を制限しています。

建平率は容積率よりも小さな値が設定され、建物の面積を制限する役割です。

路線価に影響する建築規制は面積だけではありません。

建築基準法は用途地域により、斜線制限を設定しています。

土地の面積と地域が同じ場合でも、敷地の条件により建築することができる建物の限度が異なります。

このことは路線価にも影響するので、知っておくことが大切です。

斜線制限は建築物の高さを制限するものです。

斜線制限には道路、隣地、北側の区分があり、それぞれに規制されています。

敷地が幅員の狭い道路に接している場合は、その道路の反対側の境界線から道路斜線が課せられます。

日影規制は用途地域により規制が異なります。

商業地域と工業地域、工業専用地域には日影規制は設定されていません。

しかし、これらの地域内の建築物が日影規制のある地域に影を及ぼす場合は規制の対象です。

低層住居専用地域は単独で建物の高さが制限されていますが、日影規制も厳しいものが設定されています。

近隣商業地域や準工業地域にも日影規制が設定されているので、建物の形状と高さによっては、建物が規制されます。

地域地区は建築基準法以外でも、条例等の規制で区別されて使われているので注意が必要です。

路線価の見方では、これらの知識が不可欠です。

借地権割合を知ろう

不動産

借地の上に持ち家を建てて住んでいる人は借地人となりますが、かなりの数の借地人が、自分の持つ権利を知らない状態でいます。

それは非常に好ましくないことです。

その権利を自覚するには、借地権割合を知るのが近道となります。

借地権ということばさえ知らないでいる人も多いですが、借地権割合を知ることで、その後のさまざまな問題に対処しやすくなることでしょう。

借地になっている土地には、借り手と地主が権利を保持しています。

権利を持つのは地主だけだと考えている借り手は少なくありませんが、借り手はその土地に対して大きな権利を持っているのです。

時には地主をしのぐほどにです。

その土地に、借り手が持っている権利の割合を借地権割合と言います。

借地人がその土地に3割の権利を持つとしたら、地主の持つのは7割となります。

その場合100万円の土地なら、借地人が30万円分の権利を持ち、地主は70万円分の権利を持つということになります。

地主だからと言って、決して100万円分の権利があるわけではないのです。

借地人の権利が9割で地主の権利が1割というケースもたくさんあります。

借地人に9割の権利があるとしても、その土地の9割を自由に売却できるというわけではありません。

ただ、その土地価格の9割の金額で、借地権を他人に売却するということはできます。

第三者に売却すら可能なほどの強い権利ということになるでしょう。

その権利に金銭的価値があるということを知るのは、大事なことです。

それを知っていれば、その建物に住まなくなって土地を借りる必要がなくなったときに、自分で更地にして地主に無償で返還するということをせずに済みます。

そうする人が大勢いるのは、借地権割合というものを知らずにいるからであると見られます。

知らないでいるために、大損しているということです。

その割合は、借地人と地主が相談して決めるべきものではなく、需給関係によって決まります。

需給関係を反映させたその割合は、インターネットで公開されており、誰でも閲覧できます。

法的にその数字を使うように決まっているわけではありませんが、大いに参考となる数字です。

割合を調べるには、国税庁のホームページの財産評価基準書路線価図評価倍率表を利用します。

そのウェブページには、日本地図が大きく掲載されています。

そこで調べたい借地のある地域をクリックしましょう。

すると、「路線価図」というボタンが表示されます。

路線価X借地権割合という式になりますから、両方の数字が必要となります。

「路線価図」をクリックすると、市区町村名が表示されるので、目的の市区町村をクリックします。

するとさらに細かい住所が出てきますのでそこから絞り込んでいきましょう。

それ以降はPDF文書で示されます。

PDF文書で示される路線価図には、路線価も借地権割合も記されています。

道路に数字が書いてありますが、幹線ほど数字が大きく、細い道ほど数字が小さくなるのが見て取れるでしょう。

その数字が路線価です。

1平方メートル当たりの金額が、千円単位で表示されています。

その数字の右隣りにアルファベットが記されています。

それが借地権割合です。

その割合は地価が高い場所ほど高く、地価が低い場所ほど低くなる傾向にあります。

90%から30%まで、10%刻みで表示され、どのアルファベットがどの数字になるかは、PDF文書のページの上のほうに表となって示されています。

その権利の売買をする場合にも、たいていこの数字が使われます。

取引をする双方が、納得できる数字だからです。

借地権ということばを知らなかった借地人も多いでしょうから、急にその権利を買い取りたいといった申し出があった場合に、言い値で取引してしまう可能性もなきにしもあらずですので、そうしたことを避けるためにもこの表の見方を知っておき、できれば金額の算出もしておくことが望まれます。

借地権を買い取るどころか、そこに住む必要がなくなった借地人に対し、更地にして無償で返還するように求める地主も大勢います。

しかし、借地権に金銭的価値があることを知っていれば、借地人は地主に違う対処ができます。

借地権を相続できることを知っている人は、多いでしょう。

しかし、相続できることを認識しているだけでは、金銭的価値があることにまではなかなか気づけないものです。

第三者への売却すら可能であることを知ってこそ、借地人の権利が自覚できるというものです。

売却の際に必須となるのが、借地権割合です。

土地が売却できなくても、借地人は、その土地価格の9割もの金銭的価値を持つこともある、強い存在です。

路線価図に何も書かれてない場合

不動産

路線価図は道路ごとに価格を付することによって、その道路に接している土地の価値を計算しやすくしたツールの一種といえます。

二方向以上の道路に接している場合にも、その取り扱いは奥行価格補正率や側方路線影響加算率といった、付属している別の表に書かれている数値を参考にすれば、誰でも正確な評価を計算することができるようになっているため、道路に接している限りはまったく問題がないものです。

しかし世の中には広大な山林原野などのように、路線価方式でその価値を計算することがふさわしくない土地も存在しています。

そのような土地は多くは市街地以外にあるところから、こうした場所では路線価方式が適用されません。

路線価図のなかに掲載されていない地域は市街地を形成していない市町村の周辺部や農村部といった場所が多いものですが、これらの場所では倍率方式という別の方式が適用されることになっています。

倍率方式というのは、土地ごとの固定資産税評価額に対して一定の評価倍率を乗じて土地の価値を計算する方式のことです。

このような方式を採用すれば、道路にどれだけの長さで接しているのかといったことを考えずに、より単純に土地の価値を計算によって把握することができるはずです。

倍率方式が適用される場合にもいくつかの決まりごとがありますので、やはり路線価図が掲載されている冊子を確認することは必須となります。

路線価図のなかでも少し注意しなければならないのが、路線価方式が採用されていないわけではないものの、実質的に機能していない場所があることです。

それは東日本大震災によって帰還困難区域、居住制限区域および避難指示解除準備区域に設定された区域内にある土地です。

このような地域では路線価を定めることが現実的に困難になってしまっていますので、相続税や贈与税の申告に当たっては、これまでの評価にかかわらず、ゼロ査定として差し支えないことになっています。

いずれ評価不能な状態が解消されれば元に戻るはずですが、同じ図面のなかにもこのような例外が、ごく少数ながら存在しています。

路線価図のなかに何も書かれていない場合とはいっても、ほかの多くの場合とニュアンスが少し異なるのが私道の敷地になっている土地です。

これは国道や都道府県道、市町村道といった公道は違って、道路があるはずの場所が図中で空白になっていますし、当然ですが路線価はどこにも書かれていません。

それでもいずれかの公道には接しているはずですから、このように私道の用に供されている宅地については、一般的な路線価の計算方法でいったん土地の評価額を求めた上で、その結果の100分の30に相当する額を評価額として用いることになっています。

ただし、その私道が不特定多数の人が通行する目的に用いられている場合には評価しません。

倍率方式が用いられている地域の場合には、当然ながら評価倍率そのものがどこかに書かれていなければ計算のしようがありません。

路線価図が掲載されている冊子のなかには、実は評価倍率表とよばれるものが付帯しています。

この表を確認することによって、具体的にどのような評価倍率で計算すればよいのかがわかります。

この表そのものも、一般の土地、大規模工場用地、ゴルフ場用地などのいくつかの種類に分かれています。

マイホームが建っている宅地などの評価額が知りたいということであれば、一般の土地と分類されている評価倍率表を確認することになります。

評価倍率表の見方ですが、こちらも路線価図と同様に、市町村や町または字ごとに分かれていますので、まずは対象となる土地が所在している場所を見つけます。

場合によっては適用地域として、国道沿線、具体的な団地名などのさらに細分化された地域が指定されていることもあります。

該当する地域名の右端には、借地権割合と、固定資産税評価額に乗ずる倍率等という項目があり、さらに後者は宅地や山林などのいくつかの項目に分かれているはずです。

マイホームの敷地の場合は宅地の項目に書かれている数値がすなわち評価倍率となります。

借地権割合はその土地を借地として別の人が建物を建てている場合などに利用するための数値です。

評価倍率表で具体的な数値がわかった場合には、対象となる土地の固定資産税評価額に、単純にその数値を乗じた額が評価額となりますが、場合によって例外も見られます。

たとえば本来は倍率が書かれているはずの項目に路線という表示がある場合は、その地域に異なる評価方式が混在していることをあらわしていますので、いったん路線価図のほうを見て、どちらの方式かを確認しなければなりません。

また農用地区域または市街化調整区域内にある農業用施設用地に該当する場合には、宅地と同様の取り扱いではあるものの、その評価額は別に定めるところにより一般の宅地よりも安くなっています。

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